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「ウインナーが5本、お肉ばっかり」遠足の弁当を笑ったママ友。だが、別のママの一言で黙らせた瞬間

前の晩に詰めたウインナー
幼稚園の親子遠足を、子どもは何週間も前から指折り数えていました。
「ウインナー、いっぱい入れてね」
前の晩にそう頼まれて、私は冷蔵庫にあるだけを茹でました。切り込みを入れて蛸の形にしたのが5本。
あとは卵焼きと、から揚げをいくつか。緑がほしくてブロッコリーも添えましたが、たぶん残すのだろうなと思いながら蓋を閉めたのです。
当日は気持ちのいい晴れでした。広場に着いてお昼になると、あちこちでシートが広がります。うちの子は蓋を開ける前から得意そうでした。
「見て、ウインナーだよ」
隣に座ったお友達に、弁当箱を向けています。
そこへ、同じ組のママ友が覗き込みました。
「ウインナーが5本、お肉ばっかり」
笑いを含んだ声でした。
「栄養、偏っちゃわない?」
好きだから入れている。それだけの話です。それでも彼女は、周りにも聞こえる声でもう一度笑いました。
私は蓋を裏返して膝に置きました。
何を言えばいいのか、分からなかったのです。
気になったのは自分のことではありません。さっきまで得意そうだった子が、弁当箱を少し自分のほうへ引き寄せて、箸を持ったまま下を向いていました。
離れたシートから届いた声
「うちの子もウインナー大好きだよ」
少し離れたシートから、別のママが顔を上げてそう言いました。
責めるでもなく、庇うでもなく、世間話の続きのような軽さでした。
「わあ、蛸さんだ。おいしそうだね」
うちの子が、ぱっと顔を上げました。弁当箱をまた前に出して、蛸の形をした一本をつまんで見せています。
「うちなんて全部茶色だよ」
「うちも。今朝は詰めるだけで精一杯」
あちこちのシートから声が上がって、笑いが起きました。笑われていたはずの弁当が、いつの間にか話の真ん中にあったのです。
覗き込んでいたママ友の顔から、笑いが消えていました。何か言いかけて、飲み込んで、それから自分の弁当箱に目を落としたのです。
「……まあ、好きなものが一番だよね」
小さな声でした。私はそちらを見て、はっきり答えました。
「ええ。この子が食べたいものを詰めています」
彼女はうなずいて、それきり黙りました。帰りのバスでも、誰の弁当の話も出しませんでした。
解散のあと、私は声をかけてくれたママを探して、お礼を伝えに行きました。すると彼女は不思議そうな顔をしたのです。
「本当においしそうだったから、そう言っただけですよ」
連絡先を交換して、それから園で会うたびに立ち話をするようになりました。翌年の遠足では、はじめからシートを並べて座りました。うちの子の弁当には、やっぱりウインナーが5本入っていました。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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