Share
「2000円?友達から取るの?」我が家を無料託児所にしたママ友。だが、前払いを求めると、顔を引きつらせ退散した

「2000円?友達から取るの?」我が家を無料託児所にしたママ友。だが、前払いを求めると、顔を引きつらせ退散した
また玄関の呼び鈴
土曜の朝、玄関の呼び鈴が鳴った。
ドアを開けると、案の定だった。幼稚園が同じ近所のママ友が、子どもの手を引いて立っている。
「急用ができちゃって!夕方までお願いね!」
言うだけ言って、もう背を向けている。週末になると、この人はいつもこうだ。
約束もなしに子どもを置いていき、自分だけどこかへ出かけていく。
前の週も、その前も同じだった。
「すぐ戻るから」と言って、迎えに来るのは決まって日が暮れてから。うちの子のおやつも夕飯も、いつのまにか私が二人分用意するのが当たり前になっていた。
いつだったか、勇気を出して断ろうとしたこともある。
「ごめんね、今日はうちも用事があって」
「えー、ちょっとだけだから。ね?」
結局、彼女は笑って子どもを押し込んでいった。私の予定など、はじめから聞く気がないのだ。
置いていかれた子は、きょとんと私を見上げている。この子に罪はないのだから、母親のやり方だけは見過ごせなかった。
(今日こそ、はっきりさせよう)
預かるなら前払いで
去ろうとする背中に、私はできるだけ笑顔で声をかけた。
「待って。うちはボランティアじゃないから」
彼女が振り返る。私は続けた。
「預かるなら、1時間2000円。夕方までなら1万円、前払いで頂戴するね。払えないなら、連れて帰って」
数秒、時間が止まったようだった。彼女は信じられない、という顔で私を見ている。
「2000円?ママ友から取るの?」
裏返った声だった。
「ママ友なのに、冷たくない?」
「冷たいかな。じゃあ、あなたが半年間ただで預けてきたのは、優しさだったの?」
「そ、それは…お互いさまでしょ」
「お互いさま?うちの子を、あなたに預けたことは一度もないけど」
言い返すと、彼女の頬がぴくりと引き攣った。反論しようと口を開きかけて、そのまま言葉を飲み込む。ちょうど、犬を連れた別のママが通りかかり、こちらをちらりと見た。
「……いい。今日は連れて帰る」
財布を出す気配もなく、彼女は子どもの手を引いた。さっきまでの勢いは、どこにもない。
それきり、彼女が我が家の呼び鈴を鳴らすことはなくなった。園で顔を合わせても、目を逸らして足早に過ぎていく。送迎の列で私を見つけると、今では彼女のほうがそっと後ろへ下がる。半年前とは、立場がすっかり入れ替わっていた。
はっきり言えて、よかった。心からそう思えた土曜日だった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


