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「妻とは冷めきってる、いずれ離婚するからさ」後輩を騙し二股していた男。だが、上司と一緒に詰めると

深刻な顔の後輩
「少しだけ、お時間いただけますか」
仕事熱心で優秀な後輩が、こわばった顔で私のところへ来たのは、ある夕方のことだった。
日頃は弱音など吐かない子だ。会議室に入るなり、彼女は声を絞り出した。
「実は、職場の人と……」
相手は同じ部署の既婚の先輩だった。
話を聴いていくと、彼女は半年ほど前から、その男との社内不倫に追い込まれていた。
きっかけは、男のこの一言だったという。
「妻とは冷めきってる、いずれ離婚するからさ」
甘い言葉でそそのかされ、断りきれずに関係が続いていた。
だが先日、その言葉が全部嘘だと知ったらしい。
男は彼女の裏で、若い派遣社員の女性とも関係を重ねていた。
「私、何やってたんだろうって」彼女の声が震えていた。
「同じことを、その派遣の子にも言ってたんです。」
膝の上に置いた手が、小刻みに震えている。
私は黙って話を最後まで聴いた。
冷静に、証拠を
あまりに身勝手な男だ。腹は立ったが、ここで怒鳴り込んでも何も解決しない。
私は彼女に、まずこう伝えた。
「感情的にならなくていい。やることは一つだ」
「……何でしょうか」
「彼とのやりとり、二股の証拠、全部消さずに残しておきなさい」
「でも、こんなの表沙汰になったら、私のほうが」
「君は騙された側だ。胸を張っていい」
彼女は少し迷ってから、深くうなずいた。数日かけて、メッセージの履歴も、男が派遣社員に送った言葉も、静かに保存していった。
それが揃った頃、男の身勝手な振る舞いは社内でも目につき始めていた。
頃合いを見て、上長を交えた席が持たれた。彼女が淡々と記録を差し出すと、男の顔から血の気が引いた。
「い、いや、これは誤解で」
「離婚するって、何人に言ったんですか」彼女が静かに尋ねる。
男は口を開きかけ、言葉に詰まった。
視線が私と彼女、上長の間をさまよう。やがてうつむき、何も返せなくなった。
同席していた上長が、低い声で告げた。
「事実なら、相応の対応をする」
その場の誰もが男から目を逸らしていた。
さっきまで余裕ぶっていた男だけが、机の一点を見つめて固まっている。
立場は完全に入れ替わっていた。
男は職場での立場をすっかり失った。
あんなに大きな顔をしていた人間が、今は壁際を小さくなって歩いている。
彼女は背筋を伸ばして仕事に戻り、以前より落ち着いた顔をしていた。
先日、給湯室でぽつりと言われた。
「あのとき止めてくださって、ありがとうございました」
礼には及ばない。優秀な後輩を、つまらない男のせいで潰すわけにはいかなかった。それだけだ。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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