Share
【日常ミステリー】消えた結婚指輪が新品のおむつから落下→「ありえない」と背筋を凍らせた朝

【日常ミステリー】消えた結婚指輪が新品のおむつから落下→「ありえない」と背筋を凍らせた朝
家中をひっくり返した一週間
子どもがまだ歩き始めたばかりの頃、家事の途中で結婚指輪を外したことがありました。普段なら必ずキッチンの小皿に置く決まりなのに、その日に限ってバタバタしていて、戻した瞬間の記憶があいまいなままです。
夜になって左手の薬指が軽いことに気づき、慌てて小皿を確認しても指輪はありません。洗面所、シンクの下、ソファの隙間、ゴミ箱の中身まで全部広げてひと粒ずつ確認しました。
翌日からは仕事を早く切り上げてきた夫も加わり、家中をひっくり返す勢いで探しました。子どもがどこかに運んだ可能性も考えて、おもちゃ箱や絵本棚の隙間にも指を入れたほどです。
三日目には掃除機のダストカップまで開けて中身をふるいにかけました。冷蔵庫の野菜室や調味料棚の奥まで全部出し、シンクの排水口のトラップもひと通り確認しています。
洗濯機の糸くずフィルター、ベッドの下、絨毯の繊維の間まで懐中電灯で照らしました。子どもが寝ているあいだに夫と二人で何度同じ場所を見たのか、もう分かりません。
「もうどこかで捨ててしまったのかも」
一週間経った頃には、半分あきらめて再購入の見積もりまで調べはじめていました。夫はそれ以上口に出さなかったのですが、無言で先に寝室に向かう背中が小さく見えた夜もありました。
新品のおむつから落ちた瞬間
あきらめかけたある朝、いつものように寝起きの子どものおむつを替えようとしました。新しいおむつを一枚取り出し、ベッドに広げた瞬間のことです。
ポトッ、と乾いた音がして、何かが小さく転がりました。
視線を落とすと、シーツの上で銀色の輪が静かに止まっています。ずっと探していた結婚指輪が、確かにそこにありました。
「ありえない」
その袋は数日前に新しく開けたばかりで、それまでに何枚も子どもに使っています。
指輪をなくした日に、おむつのストック棚に近づいた記憶もありません。夫を呼んで現物を見せると、彼は眠そうな顔のまま黙り込み、しばらくしてから首をかしげるばかりでした。
誰かがいたずらで袋に入れた様子はなく、来客もしばらく途絶えていました。子どもが入れたとも考えにくく、何度時系列を組み直しても、指輪があの袋に紛れ込む筋道が一つも見えてきません。
戻ってきてよかった、という安心よりも、背筋がぞわっとする冷たい感覚のほうがずっと長く残りました。指輪を見るたび、あの朝の乾いた音と銀色の輪っかが、頭の中で繰り返し再生されるのでした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


