Share
「さっきから当たってて痛いのよ!」通勤ラッシュで巨大リュックを背負い続ける男。乗客の痛快な一喝で空気が一変

身動きの取れない車内と無神経なリュック男
「うっ……」
思わず声が出たものの、目の前に立つ男の耳には全く届いていません。
平日の朝、身動きすら困難なほどの通勤ラッシュ。ただでさえ窮屈な車内にもかかわらず、私の目の前の男は巨大なリュックサックを背負ったまま立っていました。
「(満員なんだから、網棚に上げるとか前に抱え直してよ……)」
心の中で愚痴をこぼしても、男はどこ吹く風。手元のスマートフォンでゲームに没頭しているらしく、体をゆらゆらと揺らしています。
「ドスッ!」
男が動くたび、荷物がパンパンに詰まったリュックの角が、私のみぞおちや肩へ容赦なく叩き込まれます。こちらは逃げ場もなく押し潰されそうなのに、本人は周りの迷惑など一切気にかけていません。
「あの、荷物がぶつかって……」
意を決して声をかけてみましたが、イヤホンをしているせいか完全に無視されてしまいました。イライラと疲労だけが募り、出社前だというのにすでに帰宅したい気分にさせられます。
張り詰めた空気を切り裂く、救世主の一言
次の駅に着き、さらに多くの乗客が押し寄せてきました。車内の圧迫感はついに限界に達します。
「痛っ!」
乗客の波に押されて男が体勢を崩した瞬間、その巨大なリュックが私の顔面を直撃しました。さすがに我慢の限界を迎え、強めに文句を言おうと口を開きかけたその時です。
「ねえ、そこのお兄さん!さっきから当たってて痛いのよ!」
息苦しい車内に、凛とした声が響き渡りました。声の主は、男のすぐ隣に立っていた小柄な年配の女性でした。
「は……?」
予期せぬ出来事に、男はイヤホンを外し、呆然とした表情で女性を見つめます。
「その背負ってる大きなリュック、周りに迷惑かけてるの気付かない?みんな我慢してるんじゃないの。」
「えっと……」
「ゲームに夢中になる前に、自分の荷物の始末くらいきちんとしなさい!」
女性のぐうの音も出ない正論に、男はすっかり圧倒されてしまいました。顔を真っ赤にして「すみません……」と小さな声で謝罪すると、慌ててリュックを体の前に抱え直しました。
「(おばちゃん、よく言ってくれた!)」
周りの乗客たちも、声には出さずとも心の中で大喝采を送っていたはずです。先ほどまでの重苦しい空気はすっかり消え去り、私の胸のすくような思いでした。
憂鬱だった朝の通勤ラッシュが、最高の気分でスタートする一日に変わった瞬間です。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
登場人物から探す
テーマ・シチュエーションから探す
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >
恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事

