MENU

Share

HOME LIFESTYLE STORY COLUMN

「昨日も22時まで残ってたよね」私の予定を細かく覚えている同僚。だが、近すぎる距離感を上司に相談した結果

「昨日も22時まで残ってたよね」私の予定を細かく覚えている同僚。だが、近すぎる距離感を上司に相談した結果

よく人のことを覚えている人だった

3年前、当時勤めていた会社に、妙に人のことをよく覚えている男性社員がいました。

彼は40代で、私とは別の部署。休憩室やコピー機の前で顔を合わせれば少し話す程度で、仕事で直接関わる機会はほとんどありませんでした。

ただ、彼は一度聞いたことを本当によく覚えていました。

以前、何気ない雑談の中で私が「水曜は仕事のあとに用事があることが多い」と話したことがあります。

すると数週間後、廊下ですれ違ったときに、こう声をかけられました。

「今日、水曜だけど予定ある日じゃなかった?」

私は一瞬、何のことか分かりませんでした。

自分でも忘れていたような会話を覚えていたのです。

「よく覚えてますね」

そう返すと、彼は少し得意そうに笑いました。

「人の話、けっこう覚えてるんだよ」

そのときは、記憶力のいい人なんだな、くらいに思っていました。

何気ない一言が、だんだん負担になった

ところが、それから彼は私の行動について頻繁に話しかけてくるようになりました。

残業した翌日には、

「昨日も22時くらいまで残ってたよね。最近忙しいの?」

昼休みにいつもと違う時間に席を立てば、

「今日は休憩遅かったね」

金曜日に有給を取る予定が共有の勤務表に入っていると、

「明日から3連休だね。どこか行くの?」

どれも、見ようと思えば職場で分かることばかりです。

彼も誰かを困らせようとしていたわけではなく、会話のきっかけとして口にしていたのだと思います。

実際、ほかの社員にも「髪切った?」「今日はいつもより早いね」などとよく声をかけていました。

ただ、私は次第に疲れるようになりました。

何時まで働いたか、いつ休憩を取ったか、いつ休むのか。ひとつひとつは些細なことでも、毎回言葉にされると、自分の行動を細かくチェックされているような気分になったのです。

ある日、休憩室で彼と二人になったとき、私は少し距離を置こうと思い、短く返事をして会話を終わらせました。

すると彼は、不思議そうな顔で言いました。

「最近、あんまり話してくれないね」

その言葉で、私はようやく気づきました。

彼にとっては親しく話しているつもりでも、私にとってはそこまで近い関係ではなかったのです。

上司が決めた、仕事中の距離

彼に悪意があるとは思えませんでした。

だからこそ、本人に強く言うのもためらわれました。

悩んだ末、私は直属の上司に、「少し話しかけられる回数が多くて、仕事中に負担を感じている」と相談しました。

上司は事情を聞いたあと、私を責めることも、相手を大げさに問題視することもありませんでした。

「分かった。仕事に集中できる形にしよう」

その後、部署間の書類の受け渡し場所が変更され、私が彼のいるエリアまで行く必要がなくなりました。

さらに、上司から部署全体に対して、「休憩中でも、相手が会話を切り上げたそうなら無理に引き止めないように」と伝えられました。

特定の誰かを名指しする注意ではありませんでした。

それでも、彼から話しかけられる回数は少しずつ減っていきました。

しばらくして廊下ですれ違ったとき、彼は「お疲れさま」とだけ言って、そのまま歩いていきました。

私も「お疲れさまです」と返しました。

嫌いになったわけでも、何か怖いことをされたわけでもありません。

ただ、人によって心地よい距離は違います。

相手に悪気がなくても、近すぎると感じることはある。あの出来事以来、私は自分自身も、人との距離を勝手に決めつけないよう意識するようになりました。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

ほかの小説も読む

CHARACTERS

登場人物から探す

THEME

テーマ・シチュエーションから探す

ENDING

結末から探す

最も人気の短編小説

もっと見る >

スカッとする短編小説

もっと見る >

モヤモヤ短編小説

もっと見る >

ゾッとする短編小説

もっと見る >

LINEの短編小説

もっと見る >

実体験をもとにした短編小説

もっと見る >

恋愛トラブル

もっと見る >

ハラスメント

もっと見る >

金銭トラブル

もっと見る >

浮気・不倫

もっと見る >

仕事のトラブル

もっと見る >
ふと心に引っかかった「モヤモヤ」
思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」

その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

応募フォームはこちら

PROFILE

GLAM Lifestyle Editorial

編集部

日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

website
前の記事

「今日も、払ってくれるよね」一度の立て替えから始まった関係。だが、自分の気持ちをはっきりと伝えた結果

GLAM Lifestyle Editorialのすべての記事を見る

Gallery

SHARE !

この記事をシェアする

Follow us !

GLAM公式SNSをフォローする

Feature

特集記事

Ranking