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「常連なんだから優先しろよ」朝食会場で焼き魚を何枚も要求した客。だが、スタッフが返した一言で状況が一変

「常連なんだから優先しろよ」朝食会場で焼き魚を何枚も要求した客。だが、スタッフが返した一言で状況が一変
朝食会場に響いた不満の声
友人と温泉旅館に泊まった翌朝のことです。
朝食は七時半からのバイキングでしたが、僕たちは少し寝坊して、八時ごろに会場へ向かいました。
広間に入ると、料理が並ぶ台の前には十人ほどの列ができていました。
焼き魚や卵焼き、小鉢などを選びながら、宿泊客はゆっくりと列を進んでいます。旅館の朝らしい、穏やかな空気が流れていました。
列が焼き魚のコーナーに近づいたとき、前方にいた五十代くらいの男性が声を上げました。
「焼き魚、もうないじゃないか。補充が遅すぎるだろ」
焼き魚の大皿を見ると、残っているのは一切れだけでした。
近くにいたスタッフの女性が、すぐに頭を下げます。
「申し訳ございません。ただいま焼き上がりますので、少々お待ちください」
しかし、男性は納得しませんでした。
「少々って何分だよ。こっちは待ってるんだぞ」
強い口調が会場に響き、周囲の客も気まずそうに視線を落とします。
スタッフは厨房の方向を確認し、落ち着いた声で答えました。
「あと二、三分ほどでお持ちいたします」
それを聞いた男性は、さらに声を大きくしました。
「俺は何度も泊まりに来てる常連だぞ。先に持ってこいよ」
列の流れが止まり、後ろにいた人たちも困ったように顔を見合わせていました。
何枚も取ろうとした男性
しばらくすると、厨房から焼きたての魚が運ばれてきました。
スタッフが大皿を置こうとした瞬間、男性は料理台の前へ身を乗り出します。
「待たされたんだから、五枚くらいもらうぞ」
男性がトングを手に取ろうとすると、スタッフは大皿に手を添え、静かに声をかけました。
「恐れ入りますが、ほかのお客様もお待ちです。まずはお一人様一切れずつお取りください」
男性は不満そうに眉をひそめます。
「だから、俺は常連だって言ってるだろ」
するとスタッフは、表情を変えずに答えました。
「いつもご利用いただき、ありがとうございます。ただ、朝食会場では皆さま同じようにご案内しております」
声を荒らげることもなく、特別扱いはできないという方針を、はっきりと伝えたのです。
男性は何か言い返そうとしましたが、後ろにはまだ多くの人が並んでいます。
周囲の視線に気づいたのか、やがて小さくため息をつきました。
「……じゃあ、一枚でいいよ」
スタッフは焼き魚を一切れ取り分け、男性の皿へ載せました。
男性はそれ以上何も言わず、そのまま自分の席へ戻っていきました。
止まっていた列が再び動き始めると、後ろに並んでいた年配の女性がスタッフへ小さく声をかけました。
「ありがとう。みんな待っていたからね」
スタッフは、「お待たせして申し訳ございません」と丁寧に頭を下げ、次の客へ焼き魚を取り分けていました。
常連であることを理由に、ほかの客より優先されるわけではありません。
声の大きさに押されることなく、すべての宿泊客に同じ対応をしたスタッフの姿が、今でも印象に残っています。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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