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「直接やり合うのは絶対やめよう」玄関にゴミを捨てていく近所の女。だが、夫が防犯ステッカーを貼った結果

玄関先に置かれていく見覚えのない袋
今の家に引っ越して数年、私が決めていた近所付き合いの方針はひとつだけだった。
穏便に、笑顔で、踏み込みすぎず。それで何年も平和に来ていたはずだったのに、いつの間にか奇妙なことが起きはじめた。
ゴミ収集の日でもないのに、自宅の玄関先に小さな白い袋が置かれている。
最初に気づいた朝は、風で飛ばされてきただけだと思って黙って処分した。しかし二度、三度と続けば話が違ってくる。袋はいつも同じスーパーのもので、中身も明らかに誰かの家庭から出た生活ゴミだった。
週に二度から三度、似たような時間帯に新しい袋が玄関の隅に置かれていく。
夫に話すと、夫もうっすら気づいていたという。
物騒な世の中でこういう嫌がらせを許す気にはなれず、私たちは犯人が誰なのかを静かに観察することにした。
カーテンの隙間から見えた高齢女性の姿
その朝は早起きをして、リビングのカーテン越しに玄関先の様子を観察していた。冷えた空気に肩を縮めながら待っていると、住宅街の通りを歩いてくる人影が見えた。
少し離れた家に住んでいるご年配の女性だった。普段は通りで会えば軽く会釈を交わす程度の関係で、悪い印象は一度も持っていなかった。
その人が、左右をきょろきょろと確かめながら歩を進め、誰もいないことを確認するように肩越しに振り返った。手にしていたのは、見覚えのあるあの白い袋だった。胸の中で何かが冷える音がした。
袋を玄関の隅にそっと置き、すぐに歩き去っていく後ろ姿を、私はカーテンの裏側から最後まで見届けた。
その夜、帰宅した夫に状況を伝えると、夫は腕を組んでしばらく黙ってからこう言った。
「直接やり合うのは絶対やめよう」
夫が選んだ防犯ステッカーと張り紙の効果
翌日の昼、夫がホームセンターで買ってきたのは防犯カメラ風のステッカーが数枚と、白い小さな張り紙用紙だった。
玄関の戸の見える位置にステッカーを貼り、その下に手書きで一文だけ短く掲げた。
「私有地へのゴミ放置はおやめください」
派手な脅し文句も、犯人を名指しする文言も入れていない。
読んだ人それぞれが自分のことだと察すれば足りる、そういう温度の張り紙だった。貼り終えたあと、夫がぽつりと「これで止まればいい」と呟いた。
翌日の朝、玄関先には何も置かれていなかった。さらに翌日も、その次の朝も、白い袋は二度と現れなかった。あの近所のご年配の女性とは、その後も通りで会えば普段通り会釈を交わしている。
けれど目はもう、決して合わせてこない。誰の中で何が起きていたのかは分からないままだが、私の玄関先に静かな朝がやっと戻った瞬間だった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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