Share
「おい、値段が安くなっていないじゃないか」ポイント還元を値引きと勘違いした客。だが、レシートを見て黙った瞬間

「おい、値段が安くなっていないじゃないか」ポイント還元を値引きと勘違いした客。だが、レシートを見て黙った瞬間
会計を終えた男性が戻ってきた
仕事帰りに立ち寄ったスーパーは、夕方の買い物客で混み合っていました。
私がレジの列に並んでいると、少し前に会計を終えたはずの年配の男性が、レシートを握りしめて戻ってきました。
「おい、値段が安くなっていないじゃないか」
六十代くらいの男性は、レシートをレジ台に広げ、店員に強い口調で詰め寄ります。
男性が買ったのは、店頭に「ポイント10倍」と表示されていた商品でした。
ところが男性は、その表示を「会計時に10%安くなる」という意味だと思い込んでいたようです。
「大きく書いてあっただろう。安くなると思うのが普通じゃないか」
「こんな紛らわしい売り方は詐欺だ。今すぐ安くしろ」
男性の声が店内に響き、止まってしまった列から戸惑うような視線が集まりました。
私も、しばらく会計が進まないかもしれないと身構えました。
レシートに記載されていた数字
しかし、対応していた若い女性店員は慌てませんでした。
「恐れ入ります。こちらは商品のお値引きではなく、通常より多くポイントが付くキャンペーンでございます」
そう説明しましたが、男性は納得しません。
「ポイントなんて、どこにも付いていないじゃないか」
店員は男性のレシートを受け取ると、下のほうにあるポイント欄を指しました。
「今回のお買い物で、通常分を含めてこちらのポイントが付与されています」
レシートには、今回付いたポイント数と、現在利用できるポイント残高が分けて記載されていました。
「このポイントは、次回以降のお買い物で、一ポイント一円としてご利用いただけます」
店員は、キャンペーンの表示にも「ポイント10倍」と書かれており、商品の販売価格自体は変わらないことを、順を追って説明しました。
男性はしばらく黙ったまま、レシートと売り場の表示を見比べていました。
やがて、先ほどまでの勢いを失った声でつぶやきました。
「……値引きじゃなくて、ポイントが増えるということか」
「はい。分かりにくい点があり、申し訳ございません」
店員がそう答えると、男性はレシートを小さく折り畳みました。
「俺が勘違いしていたんだな。大声を出して悪かった」
店員は責めるような態度を見せず、静かに頭を下げました。
「ご確認いただき、ありがとうございます。ポイントは次回のお会計からお使いいただけます」
男性は気まずそうに会釈すると、買い物袋を持って店を出ていきました。
止まっていた列も、ほどなく動き始めました。
自分の番になった私は、感情的な相手にも落ち着いて説明を続けた店員を、頼もしく感じながら買い物かごを置いたのでした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。
Feature
特集記事


