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「温めただけで返品できないなんて、どこに書いてあるんだ」温めた弁当の交換を迫る客。だが、店長が正論をぶつけた結果

温めた直後に気づいた間違い
仕事帰りに、近所のコンビニへ立ち寄ったときのことです。
夜の店内は混み合っており、開いているレジには数人の列ができていました。私の前で会計をしていたのは、五十代くらいの男性です。
男性は弁当と飲み物をレジ台に置き、店員から温めるか尋ねられると、迷わずうなずきました。
「お願いします」
店員は弁当を電子レンジへ入れ、その間に飲み物を袋へ詰めていきます。
やがて温め終わった弁当が戻され、男性は代金を支払いました。
ところが、弁当を受け取った男性が、容器の表示を見て急に眉をひそめたのです。
「これ、大盛りじゃないか」
男性が手にしていたのは、通常サイズより量の多い弁当でした。
どうやら売り場で、隣に並んでいた普通サイズの商品と取り違えてしまったようです。
「普通のやつだと思って取ったんだ。返品してくれ」
男性はそう言って、湯気の立つ弁当をレジ台へ戻しました。
女性店員は容器を確認したあと、申し訳なさそうに頭を下げます。
「恐れ入りますが、お客様がお選びになった商品で、一度温めた食品のため、返品や交換はお受けできないんです」
しかし、男性は納得しません。
「まだ開けてもいないだろう。棚に戻せばいいじゃないか」
「温めただけで返品できないなんて、どこに書いてあるんだ」
声は次第に大きくなり、後ろに並んでいた客たちも、何事かとレジのほうを見始めました。
何度説明しても引かない男性
店員は落ち着いた口調で、温めた食品は衛生管理上、再び売り場へ戻せないことを説明しました。
また、商品の不良や店側の取り違えであれば対応できるものの、今回は男性自身が売り場から選んだ商品であることも伝えます。
それでも男性は、弁当をレジ台から動かそうとしません。
「間違えたのは認めるけど、食べてないんだから同じだろう」
「普通の弁当に替えてくれるだけでいいんだよ」
店員が何度説明しても、男性は同じ言葉を繰り返します。
その間にも列は長くなり、会計を待つ客からは小さなため息が聞こえてきました。
数分ほど押し問答が続いたところで、男性がレジの奥を指さしました。
「もういい。店長を呼んでくれ」
店員は表情を変えることなく、「少々お待ちください」と答え、店内にいた別のスタッフへ声をかけました。
店長が示した店側の線引き
しばらくすると、奥から店長らしき男性が出てきました。
事情を聞いた店長は、まず男性が手にしていた弁当を確認します。それから、穏やかな口調で話し始めました。
「お客様が普通サイズの商品と間違えて購入されたということで、よろしいでしょうか」
「そうだよ。だから替えてくれと言ってるんだ」
男性が強い口調で答えると、店長は静かにうなずきました。
「承知しました。ただ、こちらの商品はすでに温めております。未開封であっても、衛生管理上、再販売することはできません」
さらに店長は、男性の後ろに並ぶ客たちにも配慮しながら、はっきりと続けました。
「店側の間違いや商品に問題があった場合は、もちろん交換いたします。しかし今回は、お客様ご自身がお選びになった商品ですので、返品や交換はお受けできません」
声を荒らげることはありませんでしたが、例外にはできないという意思が伝わる言い方でした。
男性はまだ何か言いたそうな顔をしていましたが、店長は最後にこう付け加えました。
「通常サイズの弁当を新たに購入していただくことはできますが、こちらの弁当の代金をお返しすることはできません。ご了承ください」
それを聞いた男性は、しばらく黙り込みました。
そして周囲を見回し、自分の後ろに長い列ができていることに気づいたのでしょう。気まずそうに目を伏せると、レジ台に置いていた弁当を手に取りました。
「……もういいよ」
男性は小さくつぶやき、袋を持って店を出ていきました。
丁寧さと譲らない姿勢
男性が去ると、止まっていたレジがようやく動き始めました。
店長は待っていた客たちへ「お待たせして申し訳ございません」と頭を下げ、女性店員にも短く声をかけてから奥へ戻っていきます。
女性店員は、長時間責められていたにもかかわらず、最後まで丁寧な接客を崩しませんでした。
客の話を聞くことと、すべての要求を受け入れることは同じではありません。
感情的な言葉に流されず、できることとできないことを冷静に伝える。店員と店長の落ち着いた対応を見ながら、私は接客の難しさをあらためて感じました。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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