Share
「サイズ違いなの」服を譲ってくれたと思ったママ友。数日後、ママ友の思わぬ要求に絶句

「サイズ違いなの」服を譲ってくれたと思ったママ友。数日後、ママ友の思わぬ要求に絶句
もらってと言われた紙袋
近所に住むママ友とは、公園でよく顔を合わせる間柄だった。
子どもの年齢が近く、小さくなった上着をもらったこともある。
だからその日の話も、同じ流れだと思っていた。
玄関先で、紙袋を差し出された。中には、タグのついた長袖の上下が入っていた。
「子どもの服、間違えて違うサイズで買っちゃって」
「サイズ違いなの、8000円だけど」
「よかったら、もらってくれない?」
使ってくれるなら譲る、という意味に聞こえた。
「ありがとう、使わせてもらうね」
相手は笑って帰っていった。子どもに合わせてみると丈はちょうどよく、来週から着せようと袋ごと棚に置いた。
数日後、メッセージが届いた。
「この前の服のことなんだけど」
「お金、お願いしてもいい?」
画面を二度読み返した。金額は、渡されたときに言われた8000円のままだった。
値引きの話も、端数を落とす話もない。
買い取ってほしいと最初に言われていれば、何も思わなかった。
ほしければ買ったし、要らなければその場で断っていた。順番が逆になっただけで、返事の仕方が分からなくなる。
タグをつけたまま返した朝
その晩、棚から紙袋を下ろした。服はまだ一度も着せていない。タグも、留めてある糸もそのままだ。
畳み直して袋に戻し、口を折って玄関に置いた。
翌朝、登園の前に相手の家へ寄った。
「おはようございます。これ、お返しに来ました」
「え、どうして」
「やっぱりお返しします。買い取りだと分かっていたら受け取らなかったので」
声を荒げたつもりはない。責める言葉も足さなかった。
相手は袋を受け取って、そのまま手を止めた。
「いや、あれは、そういう意味じゃなくて」
「タグ、ついたままです」
中を確かめる指先が、途中で動かなくなった。
言いかけた続きを飲み込み、視線が袋に落ちて、それきり上がらない。
「…うん。こっちの言い方が悪かったわ」
私はうなずいただけで、それ以上は言わなかった。子どもの手を引いて、そのまま園へ向かった。
それから、あの手の頼まれ方をされることはなくなった。
数か月後、公園で同じ紙袋を差し出された。
「これ、またサイズ間違えちゃって。買い取らない?」
最初に条件が言われていた。それなら、迷う余地はない。
「じゃあ、もらいます」
やり取りを聞いていた別のママが、砂場のふちで笑った。
「その言い方なら、こっちも返事しやすいですね」
相手は少しだけ目を伏せて、それから小さくうなずいた。紙袋はその場で受け取った。曖昧なままもらうより、値段を聞いてから決めるほうが、ずっと気楽だった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


