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「会社が3つあるので、私は無理」役員を毎回押し付けてきたママ友。だが、担任の先生が名指しした理由

毎年、私の名前が挙がる
在宅で仕事をしています。
時間の融通がきくぶん、子どもの学校行事にはなるべく顔を出すようにしていました。
ただ、体調を崩しやすいたちで、季節の変わり目はどうにも調子が出ません。
それでも、行けるときには行く。そのくらいの気持ちでいたのです。
同じクラスに、会社を経営している保護者がいました。
その人の目に、私はどう映っていたのでしょうか。
役員決めでも行事のボランティア募集でも、必ず私の名前が挙がります。
「この方がいいと思います。いつも来てくださっていますし」
そう言われると、悪い気はしません。
ただ、そのあとに続く言葉が決まっているのです。
「会社が3つあるので、私は無理よ」
誰も何も言えませんでした。経営が大変なのは本当でしょう。
ただ、こちらの事情は誰にも見えていないのだと思いました。
断るのが苦手で、私は毎回引き受けました。
3年続きました。
やってみれば悪いことばかりでもありません。先生方やほかの役員の方とも親しくなりました。ただ、体が追いつかない時期に当たると、さすがにこたえます。
懇談会で呼ばれた名前
ある行事の日でした。受付に立っていた私に、担任の先生が近づいてきたのです。
「今日はなんだか顔色がすぐれない感じがしますね。大丈夫ですか」
よく知っている先生でしたから、つい話してしまいました。
季節の変わり目は調子が出ないこと、無理をすると翌日に響くこと。
先生は少しうなずいて、それだけ言いました。
「そうなんですね。無理しないでくださいね」
その日はそれで終わりです。
次の学級懇談会で、音楽祭のボランティア募集がありました。
会場は照明を落とした暗いホールで、始まったら途中で抜けることもできません。
正直、私にはきつい役でした。
どうか当たりませんように。膝の上で指を組んでいたとき、先生が口を開いたのです。
「今回は、あちらの方にお願いしたいんです」
先生が向いた先には、あの人が座っていました。
「会社を経営されていますし、みなさんをまとめるのがお上手ですから。ぜひ」
教室が一瞬、静かになりました。それから、あちこちで小さくうなずく気配がしたのです。
「たしかに、心強いです」
そんな声も上がりました。彼女は口を開きかけて、言葉を探すように目を伏せ、それから背筋を伸ばしたのです。
「……分かりました。お引き受けします」
悪い気はしなかったのだと思います。実際、音楽祭の運営は見事なものでした。
それ以来、役員決めの場で最初に私の名前が挙がることはなくなりました。たまたまかもしれません。それでも、あの日に先生が向いた方向を、私はずっと覚えています。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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