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「洗濯物の匂い、こっちに流さないで!」ベランダ越しに怒鳴った隣人。日常で感じた監視の恐怖
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ベランダ越しの怒鳴り声
今のマンションに越してきて半年、隣に住む60代の女性とは、廊下で会えば挨拶を交わす程度の穏やかな関係でした。物腰はやわらかく、こちらが会釈すれば笑顔を返してくれる人。
だから、あの朝の声は、今でも信じられません。
よく晴れた休日の朝、いつものように洗濯物をベランダに干していると、仕切り板の向こうから突然、これまで聞いたこともない鋭い声が飛んできました。
「洗濯物の匂い、こっちに流さないで!」
柔軟剤の香りが苦手なのだろうと思い、私はすぐに謝りました。香りの控えめなものに変え、干す時間も彼女が出かけたあとにずらしました。
それで済むはずだと、そのときは思っていたのです。
けれど、その日を境に、彼女の視線が生活のすみずみにまとわりつくようになりました。
光る覗き穴
共用廊下に出るたび、隣のドアの覗き穴がすっと暗くなり、また光る。
誰かがずっとこちらを見ている気配が、玄関を出た瞬間から背中に張りついて離れません。
ゴミを出しに行けば、いつのまにか後ろに立っていて、袋の中身を覗き込むように目を細めます。買い物から帰れば、両手の荷物を確かめるように見られます。
玄関のドアを開ける音がするたび、隣のドアもわずかに開く。そんな日が、何日も続きました。
やがて、身に覚えのない注意を管理人から受けるようになりました。
「夜中に洗濯機を回している、と苦情が来ています」
夜10時以降に回したことなど、一度もありません。誰が言ったのかは、聞くまでもありませんでした。何を言い返しても、通報だけが淡々と積み重なっていくのです。
それでも彼女は、廊下で会えば以前と同じように微笑みます。何ごともなかったかのようなその表情と、記録され続ける私の日常。その落差が、かえって背筋を冷たくしました。
仕事で帰りが遅くなった夜のことです。
玄関のドアに、一枚のメモが貼られていました。几帳面な字で、こう書かれていました。
「夜遅くに帰る音がうるさい。生活リズムを見直してください」
私が何時に帰り、何時に電気を消し、いつゴミを出すのか。彼女は壁一枚隔てた向こうで、その一つひとつを見て、書きとめている。
そう思うと、鍵を閉めても、カーテンを引いても、安心できませんでした。
今も、玄関を出るたびに背後の覗き穴を確かめてしまいます。あの人は、きっと今日もどこかから私を見ている。
引っ越せる状況ではないからこそ、その気配だけが、この部屋に住みつづけるかぎり、消えてくれないのです。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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