Share
「急に式を挙げたいって言ったから」結婚式のご祝儀袋を開けた。だが、義両親が入れた金額に感じた違和感

「急に式を挙げたいって言ったから」結婚式のご祝儀袋を開けた。だが、義両親が入れた金額に感じた違和感
二人で進めた結婚式の準備
十三歳年上の夫と結婚し、二人で結婚式を挙げることになった。
準備は揉めることもなく順調に進み、招待状の発送も席次の調整も手分けして片づけた。会場の打ち合わせから帰る車の中で、母とのやり取りを思い出していた。
「うちの親族からは、合わせて百万くらいになりそうよ」
母はそう言って、両親と親戚の分をきっちり計算してくれていた。一方の夫は長男で、家族にとっては待ちに待った結婚だった。
式まで挙げるのだから、夫側からは百万から二百万は包まれるだろうと、私は漠然と思っていた。
あくまで予想だが、長男の門出にしては固い見立てのつもりだった。準備期間は半年ほどで、世間の結婚式と比べてとりわけ短いわけでもない。
当日は天気にも恵まれ、つつがなく式は終わった。
二人で開けたご祝儀袋
式の余韻が残る夜、二人でご祝儀袋を開けて中身を確かめていった。
私側はほぼ予想通り、約百万円。問題は夫側だった。一枚ずつ数えていくうちに、夫の手が止まる。集計すると、夫側はまさかの約六十万円。
そのうち夫の両親からの包みは、二十三万円という妙に中途半端な額だった。
「これ……うちの親、これだけ?」
夫自身が一番戸惑っていた。長男の結婚式で、両親から二十三万。
気持ちの問題だと頭では分かっていても、その半端な数字を前に二人で言葉を失った。額の多い少ないを責めたいわけではない。
ただ、待ち望んだ息子の門出にしては、どこか温度の低い数字に思えてならなかった。私は夫の顔を見られないまま、袋をそっと閉じた。
残った釈然としなさ
後日、思い切って夫に理由を尋ねてみた。夫は少し気まずそうに、両親の言い分を伝えてきた。
「急に式を挙げたいって言ったから」
急にと言っても、準備期間は世間並みだ。
日取りも会場も、半年前から両家に伝えてあった。何が急だったのか、いくら考えても腑に落ちない。
それでも、夫の実家を悪く言いたくはなくて、私はその話をそこで飲み込んだ。気にしないでおこう、そう思おうとした。
けれど、もやもやはそこで終わらなかった。新生活が始まっても、義実家からの支援は一切ノータッチ。
やがて娘が生まれても、出産祝いはささやかなもので、孫に会いに来る回数も、関心も驚くほど薄い。
電話口で娘の名前を確かめられるたびに、胸の奥が少しずつ冷えていく。
ただ、育ってきた環境が違えば、お祝い事への価値観や、家族との距離感の「普通」も全く異なるもの。
義実家側にとっては、それが彼らなりのベストな距離感であり、決して悪意があるわけではないのかもしれません。
どちらが正しい・間違っているということではなく、ただ「温度差」があるだけ。そう割り切ることで、いつかこのモヤモヤも、静かに思い出に変わっていくのかもしれません。
大切なのは、周りの温度に振り回されず、自分たち夫婦が心地よいと思える温かい家庭を、これから新しく築いていくことなのではないでしょうか。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


