Share
「ほんと気が利かない!」私の悪口を誤って送ってしまったママ友。だが、私の冷静な返しで空気が一変

「ほんと気が利かない!」私の悪口を誤って送ってしまったママ友。だが、私の冷静な返しで空気が一変
夜遅くに届いた一通
小学校のPTA役員で、何人かのママと同じグループになった。
その中心にいたのが、いわゆるリーダー格のママだった。
声が大きく、仕切りもうまい。誰もが彼女に気をつかっていた。
打ち合わせ前夜、グループチャットに彼女からの通知が灯った。
文の初めには「明日の打ち合わせの件」。
連絡事項だろうと、なにげなく開いた。
「〇〇さんって、ほんと気が利かない!」
「明日もどうせ話してこないよ」
表示されたのは、私の名前だった。
指先がすっと冷たくなった。これは、私への陰口だ。本来は別の誰かに送るつもりが、まちがってグループ全体に流れてしまったらしい。
画面を見つめたまま、しばらく動けなかった。
普段から笑顔で接してくれていただけに、裏ではこう思われていたのかと、胸の奥がずしりと重くなった。
焦りのスタンプが連打される
数秒後、画面が小刻みに揺れはじめた。彼女からのスタンプが、次々と飛んでくる。
「ごめん、間違えた!」
「今のなし!ほんとごめん!」
「ほんとに違うの、誤解だから!」
慌てふためいた絵柄のスタンプが、二つ、三つと積み重なっていく。
取り消そうとして、けれど消しきれない焦りが、画面越しに伝わってきた。
グループにいる他のママたちは、誰も口を開かない。
既読の数字だけが、静かに増えていく。みんなが固唾をのんで、私の返事を待っているのが分かった。
心臓はまだ早鐘を打っていた。それでも、ここで取り乱したら同じ土俵に立つだけだと思い直した。
私は一度だけ深く息を吐いて、文字を打った。
たった一行の返信
「間違えて本音が送られてしまったようですね。明日の会議は遅れずに伺います」
送ったのは、それだけ。怒りも嫌味も、あえて足さなかった。
送信した瞬間、グループ全体がぴたりと凍りついたのが分かった。
彼女からのスタンプも、ぱたりと止まった。
翌朝の会議室。
私が席につくと、いつもは真っ先に話しかけてくる彼女が、目を伏せたまま動かなかった。
資料を配る順番でも、私の前を避けるように手が止まる。
「議題、先に進めちゃっていいですか」
私が淡々と切り出すと、周りのママたちが小さくうなずいた。
「うん、進めよう」
「昨日の件は、もういいから」
誰かがそう言い添えると、彼女は肩をすぼめて、ますます小さくなった。
会議のあいだ、一度も私と目を合わせられないままだった。
あれだけ場を仕切っていた人が、今は隅でうつむいている。それからというもの、周囲のママたちも自然と彼女から距離を置くようになった。
言い返さなくても、伝わるものはある。あの一行で、立場はきれいに入れ替わっていた。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


