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「財布どこやったかな」コンビニのレジでずっと探している客。だが、見つかったと思った瞬間、最悪な展開に

3分止まった前の客のひと言
昼休みに職場近くのコンビニへ立ち寄ったときのことだ。
弁当コーナーから揚げ物のにおいが漂い、レジには4、5人の列ができていた。
少し時間がかかりそうだと思いながら並ぶ。やがて前の客の番が来た。
店員がバーコードを読み込みはじめたところで、前の客の動きがピタリと止まった。
「財布どこやったかな…」
独り言のように呟きながら、鞄のポケットを一つひとつ確かめはじめた。
上着のポケット、ズボンのポケット、鞄の外側のファスナーを開けて中を探り、また別のポケットへ手を入れる。背負っていたリュックのメインポケットまで開けはじめたとき、後ろの列がじわじわと伸びていった。
誰も何も言わない。
ただ、空気だけが静かに重くなっていく。店員も急かさず、ただレジの前でそっと待っている。私もスマホに視線を落とし、無関係を装った。
財布が出てくるまで、たっぷり3分以上はかかった。
リュックの底から取り出した財布を広げ、小銭か紙幣かしばらく迷いながら、ようやく会計が進む。
ほっとする間もなく、店員が次のひと言を口にした。
ポイントカードでもう一度
「ポイントカードはございますか?」
前の客が、また鞄を探りはじめた。
財布を片手に持ったまま、今度はカードを探している。
さっきと同じく上着のポケット、鞄の中、財布のカード入れをパラパラと確認する。後ろの列の温度が、はっきりと下がった気がした。
誰もため息をつかない。舌打ちもしない。それでも、待たされている人たちの間に漂う声のない圧が、確かに積み上がっていく。列の最後尾の客がスマホから顔を上げ、軽く目を細めて時計を確認した。レジの前後で、視線が静かに交差する。
「あ、今日持ってなかったかも」
前の客がようやく呟き、店員が「大丈夫ですよ」と短く返した。
会計は終わり、前の客は袋を受け取って出口へと向かう。
私の番になったとき、何事もなかったように手早く財布を出した。ポイントカードも先に出しておいた。
店員も普通の対応だった。
何が悪いというわけではない。財布を探すのはよくあることだし、カードを確認するのも普通の流れだ。
ただ、あの数分間、コンビニの空気は確かに凍りついていた。誰も怒らないし、誰も責めない。それでも、全員が何かを堪えていた、あの沈黙だけが残った。
帰り際にふと後ろを振り返ると、列はもう普通の長さに戻っていた。昼時の喧騒がまた戻ってくる。あの静かな詰まりの感覚は、職場に戻ってからも頭に引っかかったままだった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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