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「この1000円札は曲がってる、取り替えて」レジで何度も交換を迫った客。だが、店長が示した正論とは

「この1000円札は曲がってる、取り替えて」レジで何度も交換を迫った客。だが、店長が示した正論とは
渡した1000円札が、レジ台に戻ってきた
パン屋でレジのアルバイトをしていたころの話です。夕方の店内には仕事帰りのお客様が増え、レジにも数人が並んでいました。
私は現金で支払ったお客様に、お釣りの1000円札を何枚か数えて渡しました。
ところが、その人はすぐには財布にしまいません。札を一枚ずつ目の高さまで持ち上げ、表と裏を確かめ始めました。
そして一枚を選ぶと、無言でレジ台の上へ戻したのです。
「こちら、何かございましたでしょうか」
尋ねると、その人は札の中央にある薄い折り目を指しました。
「もっときれいなの、ないの?」
確かに少し折れた跡はありましたが、破れたり大きく汚れたりしているわけではありません。
それでも気になるのだろうと思い、私は別の1000円札に取り替えました。
ところが、それも少し眺めたあと、また台の上へ戻されました。
もう一枚渡しても同じです。私はレジの中を見ながら、なるべく折り目の少ない札を探しました。
その間にも、後ろの列は少しずつ伸びていきます。
私が次の一枚を選ぼうとしていると、その人が言いました。
「この1000円札は曲がってる、取り替えて」
ここまで何枚か交換していましたし、レジの中を見ても、これ以上どの札を出せば納得してもらえるのか分かりませんでした。
店長が選んだ一枚
やり取りが長くなっていることに気づいた店長が、奥から出てきました。
私から事情を聞くと、店長はレジの中にある1000円札を何枚か確認しました。そして、その中から一枚を選びます。
「お客様、こちらが今ある中では、いちばん状態のよい1000円札です」
店長はそう言って、札を差し出しました。
「申し訳ありませんが、これ以上のお取り替えはできません。こちらでお願いできますでしょうか」
その人は札をじっと見ていました。
しばらくして、今度はレジ台へ戻さず、そのまま財布にしまいました。そして何も言わずに店を出ていきました。
止まっていた列が動き始め、私はようやく息をつきました。
「すみません。何枚も交換してしまって」
私が店長に言うと、店長は「最初に交換したのは間違ってないよ」と答えました。
「でも、できないことまで続けなくていい。困ったら呼んで」
その言葉を聞いて、私は少し安心しました。
それまでは、お客様から頼まれたことにはできるだけ応えなければ、と考えていました。
けれど、何でも希望どおりにできるわけではありません。できる範囲で対応したうえで、それ以上は難しいと伝えることも必要なのだと、そのとき初めて実感しました。
あの日以来、レジで判断に迷うことがあると、一人で抱え込まず店長や先輩に相談するようになりました。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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