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「ご飯はまだ、もっと早く持ってきてよ」静かに過ごす広間で騒ぎ続けた隣の席。だが、旅館の人が伝えた言葉で状況が一変

静かだった広間に、大きな声が響き始めた
家族旅行で泊まった温泉旅館は、館内全体が落ち着いた雰囲気の宿だった。夕食は広間に用意されていて、案内された席につくと、隣とのあいだには衝立が立てられていた。
「今日はゆっくりできたね」
夫がそう言うと、私はうなずいた。子どもたちも料理を食べながら、小さな声で話している。周りから聞こえてくるのも、食器の音や控えめな会話くらいだった。
ところが、隣の席にグループが入ってくると、広間の空気が変わった。
席についた直後から大きな笑い声が続き、離れた相手を呼ぶような声も聞こえてくる。
声は広間の入口まで届きそうなほどだった。
やがて料理を運んできた仲居さんに、隣から声が飛んだ。
「ご飯はまだ、もっと早く持ってきてよ」
仲居さんは「順にお持ちしますので、少々お待ちください」と答えていた。それでも、しばらくするとまた催促する声が聞こえた。
「次まだ?こっちも早くしてよ」
周りの席でも、声のするほうを気にする人が増えていた。私もせっかくの料理に集中できず、少し落ち着かない気持ちになっていた。
旅館の人は、静かな声で伝えた
何度か大きな声が続いたあと、広間の入口から年配の仲居さんが入ってきた。入口近くまで声が響いていたため、状況に気づいたようだった。
隣の席まで来ると、仲居さんは腰を低くして静かに声をかけた。
「お料理は、順にお出ししております」
そして、急いで運ぶのではなく、できたての状態で出すため少し時間がかかることを説明した。
続けて、
「こちらでは、ほかのお客様もお食事をされていますので、お声を少し控えていただけますと助かります」
と伝えた。
強く責めるような口調ではなく、必要なことだけを穏やかに話していた。
「あ、すみません」
隣から短い返事が聞こえた。その後は笑い声も会話もかなり小さくなり、広間にはそれまでの落ち着いた雰囲気が戻ってきた。
私たちもようやく料理をゆっくり味わうことができた。
声を荒らげなくても、相手に事情とお願いをきちんと伝えることで場の空気は変わるのだと感じた出来事だった。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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