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「録画したから、送っておいたわよ」途中退席した兄の結婚式。後日、届いたビデオテープの中身に絶句

「録画したから、送っておいたわよ」途中退席した兄の結婚式。後日、届いたビデオテープの中身に絶句

兄の結婚からしばらくして、一本のビデオが届いた

もう二十年以上前、兄が結婚したころのことです。

結婚式には私も出席しましたが、母の体調があまりよくなかったため、披露宴の途中で両親と一緒に退席しました。

兄や義姉、その親族たちはそのあと義姉の実家に集まり、しばらく歓談していたそうです。

義姉の父親はビデオ撮影が好きな人で、結婚式の様子だけでなく、その後の親族の集まりも記念に撮影していました。

兄からも「向こうのお父さん、ずっとビデオを撮っていたよ」と聞いていました。

それからしばらくして、私あてに小さな包みが届きました。差出人は義姉の実家です。

中には一本のビデオテープが入っていました。

その日の夕方、義姉の母親から電話もありました。

「結婚式のときの映像、ダビングしたから送っておいたわよ。途中で帰ったでしょう。よかったら見てね」

私は素直にありがたいと思い、お礼を伝えました。

その夜、さっそくビデオを再生しました。

兄と義姉が並ぶ姿や、親族が笑っている様子が映っています。

自分では見られなかった場面も多く、「こんなこともあったんだ」と懐かしい気持ちで眺めていました。

やがて披露宴が終わり、映像は義姉の実家へ移りました。

親族の会話の中で、突然私の名前が出た

リビングには義姉と両親、親族が集まっていました。

誰かがカメラを向けると手を振ったり、料理を映したりしていて、ごく普通のホームビデオでした。

私は自分が帰ったあとの様子を何となく見続けていました。

すると、会話の途中で突然、私の名前が出ました。

「お兄さんの妹さんって、まだご両親と一緒に暮らしているんでしょう?」

最初は、ただ私の話題になっただけだと思いました。

五十を過ぎた今も私は両親と同じ家で暮らしていますが、当時から仕事をしながら家のことも手伝っていました。

若いころには働きながら学校にも通い、授業料も自分の給料から払っていました。

それでも画面の向こうでは、事情を知らないまま話が続いていました。

「家にいたら、いろいろやってもらえるものね」

「うちだったら、もう少し自立しなさいって言うかも」

笑いながら、そんな言葉が交わされていました。

義姉もその場にいましたが、強く否定することはありませんでした。

私はリモコンを握ったまま、動けなくなりました。

大声で罵られたわけではありません。けれど、自分のいないところで暮らし方を勝手に決めつけられ、笑い話のように語られていたことがつらかったのです。

しかも、その間もカメラは普通に親族たちを映していました。

撮影されていることを隠していたわけでもありません。誰かがカメラを見るたびに笑ったり、手を振ったりしています。

だからこそ、あの人たちにとっては、私について話していたことさえ特別なことではなかったのかもしれません。

送った本人は、そこまで見ていなかったのかもしれない

映像はそのあと別の話題に移り、何事もなかったように続いていきました。

私は途中で再生を止めました。

義姉の母親が、私に悪口を聞かせるために送ったとは思えませんでした。

おそらく、結婚式からその後の集まりまで撮った映像をまとめてダビングし、中身を最初から最後まで確認しないまま送ったのでしょう。

「録画したから、送っておいたわよ」

昼間の電話で聞いたその言葉が、今度は別の意味を持って頭に残りました。

台所にいた母から、「何が届いたの」と聞かれました。

「兄さんの結婚式のビデオ」

私はそれだけ答えました。

母に見せることはできませんでした。

兄に話そうかとも思いましたが、結婚したばかりの兄夫婦に波風を立てることになる気がして、結局何も言いませんでした。

それ以来、義姉の家族と会えば普通に挨拶をしています。

ただ、笑顔で話している相手が、自分のいないところで何を口にしているのかは分からない。あの一本のビデオを思い出すたび、今でもそんなことを考えてしまいます。

※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた50代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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