Share
「何か手伝おうか?」家事をしている私に聞いてきた夫。だが、その優しさに感じた本音とは

家のことなのに、夫はいつも「手伝おうか」と言う
夫の実家では、毎年親戚が集まる日があります。
大人たちは座敷で話し、子どもたちは廊下を行ったり来たりする、にぎやかな集まりです。
ただ、そこへ出かけるまでの準備は、ほとんど私の役目でした。
子どもの着替えをそろえ、おむつや飲み物をバッグに入れ、忘れ物がないか確認する。
私はフルタイムで働いていますが、普段から保育園の準備や洗濯、食事の支度なども、私が担当することが多かったのです。
夫がまったく何もしないわけではありません。ただ、自分から動くことはほとんどありませんでした。
私が慌ただしく家事をしていると、決まってこう聞いてきます。
「何か手伝おうか?」
悪気がないことは分かっています。それでも、自分の家のことなのに、どうして「手伝う」という言葉になるのだろうと、いつも少し引っかかっていました。
ゴミ出しも同じでした。私が前日の夜に分別し、袋をまとめて玄関に置いておくと、夫が出勤するときに集積所まで持っていきます。
それを夫は、自分の担当だと思っていたようです。
親戚の前で「いつも俺がやってる」と話し始めた夫
その日、義実家で家事や育児の話になったときでした。
夫が親戚の前で笑いながら言ったのです。
「ゴミ出しは、いつも俺がやってるから」
私は思わず夫のほうを見ました。
確かに、最後に集積所まで運んでいるのは夫です。しかし、収集日を確認し、家中のゴミ箱から集め、分別して袋を用意しているのは私でした。
しかも、その日の夫は普段とは別人のように動いていました。
子どもがぐずればすぐに抱っこし、飲み物をこぼせば布巾を取りに立ちます。私が何も言わなくても、おむつまで替えていました。
親戚から「よくやってるね」と言われると、夫はうれしそうに笑いました。
「まあ、いつもこんな感じだよ」
私は何も言いませんでした。そこで「家では違います」と言えば、せっかくの集まりの空気を悪くしてしまいそうだったからです。
ただ、なんとも言えない気持ちで、その様子を眺めていました。
義母が聞いた、たった一つの質問
すると、それまで黙って聞いていた義母が、夫に尋ねました。
「じゃあ、普段は保育園の朝の支度もしてるの?」
夫の表情が止まりました。
「いや、それは…」
義母は責めるような言い方をせず、続けて聞きました。
「ゴミは、誰が分別して袋にまとめてるの?」
夫は少し黙ったあと、私のほうを見ました。
「それは……やってもらってるけど」
義母はそれ以上何も言いませんでした。
ただ、私の隣に座ると、小さな声で言いました。
「いつも大変だったでしょう。ありがとうね」
その言葉を聞いた瞬間、胸の中にたまっていたものが少しだけ軽くなりました。
義母は普段の私たちの生活を見ているわけではありません。それでも、夫の話し方やその日の様子から、何か違和感を感じ取ったのかもしれません。
帰りの車で、子どもたちが眠ったころ、夫がぽつりと言いました。
「来週から、朝の保育園の支度、俺がやるよ」
私は少し驚きましたが、「うん、お願い」と答えました。
家事も育児も、どちらかが「手伝う」ものではありません。あの日の義母の一言で、夫も少しだけそのことに気づいてくれたのだと思います。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


