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「少しだけ、話してもいいですか」披露宴の途中で祖母がスタッフに声をかけた。その後、会場が静まり返った理由とは

「少しだけ、話してもいいですか」披露宴の途中で祖母がスタッフに声をかけた。その後、会場が静まり返った理由とは
華やかな披露宴の途中で、祖母がスタッフに声をかけた
数年前、従姉妹の結婚式に参列したときのことです。
披露宴は和やかな雰囲気で進んでいました。新郎新婦が入場すると大きな拍手が起こり、乾杯のあとには友人や職場の方からのお祝いの言葉が続きます。
「本当にきれいね」
親族席では、そんな声が何度も聞こえていました。私も白いドレス姿の従姉妹を見ながら、子どものころ一緒に遊んでいた姿を思い出していました。
披露宴も半ばを過ぎたころです。
従姉妹の祖母が、近くを通った式場スタッフに小さく声をかけました。
「少しだけ、話してもいいですか」
スタッフはその場ですぐにマイクを渡すのではなく、祖母の話を聞いたあと、司会者のもとへ向かいました。
何を相談しているのかまでは分かりませんでしたが、少しして司会者が新郎新婦にも確認するように声をかけていました。
やがて進行がひと区切りしたところで、司会者がマイクを手にしました。
「ここで、新婦のおばあさまから、少しだけお祝いのお言葉をいただきます」
会場から自然と拍手が起こりました。
震える声で語ったのは、短い思い出だった
祖母はスタッフに支えられながら、ゆっくりと立ち上がりました。
マイクを受け取ると、一度従姉妹の顔を見てから話し始めます。
「小さいころから、よく笑う子でね」
少し震えた声でした。
「転んでも泣かんと笑っとったのに、今日は私のほうが泣きそうです」
会場から小さな笑い声が起こりました。
祖母はそれ以上、長く話そうとはしませんでした。
「二人で仲良く、元気でいてください。それだけです」
ほんの短い言葉でしたが、にぎやかだった会場はいつの間にか静かになっていました。
従姉妹は高砂から祖母を見つめ、目元を押さえていました。
「おばあちゃん、ありがとう」
その声をきっかけに、大きな拍手が起こりました。
祖母は少し照れたように笑いながら席へ戻り、近くの親族がそっと椅子を引いていました。
披露宴には、きれいな演出も、たくさんのお祝いの言葉もありました。それでも帰り道、私がいちばん思い出していたのは、祖母の短い言葉でした。
予定にはなかった出来事だったからではありません。
長い原稿も特別な表現もなく、ただ孫を思って口にした言葉だったからこそ、あれほど会場にまっすぐ届いたのだと思います。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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