Share
「私は、この結婚に今でも反対しています」披露宴の最後に突然立ち上がった新郎の母親。会場が静まり返った瞬間

「私は、この結婚に今でも反対しています」披露宴の最後に突然立ち上がった新郎の母親。会場が静まり返った瞬間
締めの挨拶を前に、母親が立ち上がった
5年前、友人の結婚式に出席したときのことです。
披露宴は大きなトラブルもなく進み、両親への花束贈呈も終わって、あとは新郎から最後の挨拶があるだけというところまで来ていました。
新郎が前に出て、司会者からマイクを受け取ろうとした、そのときでした。
親族席から椅子を引く音がして、ひとりの女性が立ち上がったのです。新郎のお母さんでした。
「すみません。私からも一言、言わせてください」
突然のことに、司会者も少し戸惑った様子でした。それでも、お祝いの言葉でも伝えるのだろうと思ったのか、短く確認をしたあと、母親にマイクが渡されました。
ところが、次に出てきた言葉は、誰も予想していないものでした。
「私は、この結婚に今でも反対しています」
会場から、それまで聞こえていた話し声が消えました。
新婦側の親族は互いに顔を見合わせ、新郎も母親を見たまま動きません。私も何を聞かされているのか理解するまで、少し時間がかかりました。
なぜ反対しているのか、母親はその場で詳しく話そうとしました。しかし、司会者がすぐに近づき、声を落として何かを伝えました。
「お母様、お話はまた別の機会にお願いいたします」
新郎が口にしたのは、短い一言だった
それでも母親は、もう少し話したそうにしていました。
すると、新郎が静かに母親のそばまで歩いていきました。
「今日は、もうやめてくれ」
声を荒らげることはありませんでした。ただ、その一言を聞いた母親はしばらく黙り、やがてマイクを司会者に返して席へ戻りました。
新郎は少し間を置いてから前に立ち、あらためてマイクを受け取りました。
「本日は来ていただいて、本当にありがとうございました」
それ以上、母親の発言について説明することはありませんでした。新婦も隣で小さく頭を下げていました。
その後は予定どおり披露宴が締めくくられましたが、少し前までの和やかな雰囲気には、なかなか戻りませんでした。
帰り道、同じテーブルだった友人がぽつりと言いました。
「言いたいことがあったとしても、今日じゃなくてよかったよね」
私も同じことを考えていました。
家族だからこそ伝えなければならないこともあるのかもしれません。ただ、大勢の人が二人を祝うために集まった披露宴の最後に、それを突然口にする必要があったのだろうか。
あの日から5年経った今でも、結婚式の話題になると、ときどきあの静まり返った会場を思い出します。
伝える内容だけでなく、伝える場所やタイミングも大切なのだと、強く感じた出来事でした。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた40代女性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


