MENU

Share

HOME LIFESTYLE STORY COLUMN

「そっちはいくらにした?」三回忌の会食で香典の額を聞き始めた叔母。どうしても聞きたかった理由とは

「そっちはいくらにした?」三回忌の会食で香典の額を聞き始めた叔母。どうしても聞きたかった理由とは

祖母を偲ぶ会食で、叔母が気にしていたこと

数年前、祖母の三回忌でのことです。法要を終えたあと、親戚15人ほどで食事の席につきました。

久しぶりに顔を合わせる親戚も多く、最初は祖母の思い出話をしながら、穏やかな時間が流れていました。

「おばあちゃん、いつもここに行ってたよね」

そんな話をしながら、僕も近くに座っていた親戚のお茶を注いでいました。

食事が始まってしばらくしたころです。50代の叔母が、何かを思い出したように周囲を見回しました。

「そういえば、今回の香典って、みんな同じくらいにした?」

突然の質問に、それまで続いていた会話が途切れました。

叔母は以前、親戚の集まりで金額がばらばらだったことを気にしていたそうです。

今回も「親戚同士なら、ある程度合わせたほうがいいのでは」と考えていたのでしょう。

ただ、香典の金額をその場で聞かれるとは思っていなかったので、誰もすぐには答えませんでした。

すると叔母は、気まずくなった様子もなく続けました。

「うちは1万円、包んだけどね」

さらに、隣に座っていた親戚にも尋ねます。

「そっちはいくらにした?」

聞かれた親戚は困ったように笑い、「まあ、それぞれでいいんじゃない」とだけ答えました。

それでも叔母は納得していない様子でした。

「でも、親戚なら揃えたほうが分かりやすくない?」

母が伝えた「それぞれでいい」の一言

そこで、向かいに座っていた母が静かに口を開きました。

「気になるのは分かるけど、こういうのはそれぞれでいいんじゃない?」

叔母は少し驚いたように母を見ました。

「でも、少なかったら気になる人もいるやろ?」

すると母は、言い聞かせるような口調ではなく、普段と変わらない声で返しました。

「だからこそ、みんなの前で金額を聞かないほうがいいと思うよ」

叔母はそこで初めて周囲を見回しました。

誰も叔母を責めてはいませんでしたが、話題に入りづらそうにしている人が何人かいました。

「ああ、そういうことか」

叔母は少し照れたように笑うと、それ以上、香典の金額について尋ねることはありませんでした。

その後は別の親戚が祖母の昔話を始め、少しずつ元の雰囲気に戻っていきました。

叔母としては、親戚同士で失礼がないようにしたかっただけなのだと思います。金額を揃えたほうが安心だという考えにも、叔母なりの理由があったのでしょう。

ただ、お金に関することは、親しい間柄でも聞かれたくない人がいます。

母の「みんなの前で金額を聞かないほうがいい」という言葉を聞いて、気遣いとは、相手が答えやすいかどうかまで考えることなのかもしれないと思いました。

※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた30代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています。

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

ほかの小説も読む

CHARACTERS

登場人物から探す

THEME

テーマ・シチュエーションから探す

ENDING

結末から探す

最も人気の短編小説

もっと見る >

スカッとする短編小説

もっと見る >

モヤモヤ短編小説

もっと見る >

ゾッとする短編小説

もっと見る >

LINEの短編小説

もっと見る >

実体験をもとにした短編小説

もっと見る >

恋愛トラブル

もっと見る >

ハラスメント

もっと見る >

金銭トラブル

もっと見る >

浮気・不倫

もっと見る >

仕事のトラブル

もっと見る >
ふと心に引っかかった「モヤモヤ」
思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」

その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

応募フォームはこちら

PROFILE

GLAM Lifestyle Editorial

編集部

日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

website
前の記事

「ほかの人のシート、ずっと踏んでるよね」撮影に夢中で土足のまま歩く保護者。だが、持ち主がかけた一言で空気が一変

GLAM Lifestyle Editorialのすべての記事を見る

Gallery

SHARE !

この記事をシェアする

Follow us !

GLAM公式SNSをフォローする

Feature

特集記事

Ranking