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「玄関のチャイムが鳴って、思わず身構えた」引っ越し初日の夕方、見知らぬ土地でかけられた一言にほっとした瞬間

荷ほどきの途中で、突然チャイムが鳴った
一年前、私は仕事の都合で、ほとんど知り合いのいない町へ引っ越しました。
引っ越し当日の夕方。部屋にはまだ開けていない段ボールが積み上がり、私は床に座って食器を一枚ずつ新聞紙から取り出していました。
新しい家に来られたうれしさはありましたが、それ以上に気になっていたのが近所づきあいです。
どんな人が住んでいるのだろう。うまくやっていけるだろうか。
そんなことを考えていると、突然、玄関のチャイムが鳴りました。
荷物が届く予定はありません。訪ねてくる知人もいません。
一瞬身構れましたが、ドア越しに「向かいの者です」と穏やかな声が聞こえ、私は玄関を開けました。
そこに立っていたのは、向かいの家に住むという女性でした。
「今日、お引っ越しでしたよね。お疲れさまでした」
そう言って、小さな菓子袋を差し出してくれました。
私が慌ててお礼を言うと、その方は道路の左右を指しながら続けました。
「こっちがお隣さんで、反対側はご夫婦で住んでいます。みんな長く住んでいるので、分からないことがあったら聞いてくださいね」
ちょうどそのとき、物音に気づいたのか、隣の家からも一人が顔を出しました。
「今日越してきた方?」
短い会話のあと、もう一方のお隣とも玄関先で挨拶を交わすことができました。
「最初は分からなくて当然ですよ」の一言
数日後、ゴミを出そうとして、私は収集場所の前で立ち止まってしまいました。
曜日は確認していたものの、袋を置く場所がいまひとつ分からなかったのです。
すると、あの日の向かいの方が通りかかりました。
「そこじゃなくて、朝はこっちにまとめるんですよ」
そう言いながら、集積場所を教えてくれました。
「ありがとうございます。まだ何も分からなくて……」
私が申し訳なさそうに言うと、その方は笑いました。
「引っ越してきたばかりなんだから、分からなくて当然ですよ」
その一言に、私はずいぶん救われました。
その後も、顔を合わせれば挨拶をする程度の関係です。特別に家を行き来するほど親しいわけではありません。
それでも、スーパーの場所を教えてもらったり、自治会のお知らせについて聞いたりするうちに、知らなかった町が少しずつ自分の生活圏になっていきました。
引っ越し初日の私は、知らない土地で一人きりになったような気持ちでいました。
けれど、玄関の向こうから聞こえた「向かいの者です」という声で、その不安は少しだけ軽くなりました。
大げさな親切ではなくても、新しく来た人に自然に声をかけてもらえることが、こんなにも心強いものなのだと知った出来事です。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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