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「何をまいてるんだろう?」雪で滑る朝。近所の男性がまいていた物を見て、胸が温かくなったワケ

「何をまいてるんだろう?」雪で滑る朝。近所の男性がまいていた物を見て、胸が温かくなったワケ
凍った道の先で見かけた人影
これは、去年の冬の朝のことです。
その日はこの冬いちばんの冷え込みで、玄関のドアを開けた瞬間、張りつめたような冷たい空気に思わず肩をすくめました。
一歩外へ出ると、足元がつるりと滑り、慌てて手すりにつかまりました。
家の前の道はうっすら白く凍り、朝の光を受けて光っています。いつも通っている道なのに、その日ばかりは慎重に歩かなければならないほどでした。
これは危ないなと思いながら、足元を確かめるようにゆっくり歩き出したときです。
少し先に、道へ何かをまいている人の姿が見えました。
(何をまいてるんだろう?)
近づいてみると、近所に住むおじいさんでした。
おじいさんはバケツから砂をすくい、凍って滑りやすくなった場所へ少しずつまいていました。
とくに日陰になっているところを選ぶように、黙々と手を動かしています。
「おはようございます」
私が声をかけると、おじいさんは顔を上げて笑いました。
「おはよう。今日はよう凍っとるね」
私は先ほど滑りかけた足元を見ながら言いました。
「玄関を出たら、道が凍っていてびっくりしました」
すると、おじいさんは道の先を見ながらうなずきました。
「朝はよう滑るんよ。子どもも通るし、転んだら危ないやろ思ってな」
少し先には横断歩道があり、朝になると登校する子どもたちがよく通ります。
私はその言葉を聞いて、改めて凍った道を見渡しました。
「そりゃ助かるわ」と笑ったおじいさん
朝早くから砂をまく姿を見ていると、その何気ない心遣いがとてもありがたく感じられました。
「少し手伝います」
思わずそう声をかけると、おじいさんは少し驚いた顔をしました。
「ええんか?」
「はい。二人のほうが早いですし」
そう答えると、おじいさんはうれしそうに笑いました。
「そりゃ助かるわ」
バケツを分けてもらい、二人で道に砂をまいていきました。
おじいさんは「日が当たらんところは特に凍りやすいんよ」と教えてくれました。言われて見てみると、塀のそばや建物の影になっている場所ほど、まだ白く凍っています。
普段は道ですれ違えば挨拶をする程度で、こんなふうにゆっくり話したことはありませんでした。
「毎年こんなに凍るんですか?」
私が尋ねると、おじいさんは砂をまきながら答えました。
「寒い朝はたまにな。ここで滑った人も前におったから、気になるんよ」
なるほどと思いました。おじいさんにとっては大げさなことではなく、危ない場所に気づいたから少し砂をまく。ただそれだけなのかもしれません。
それでも、その行動のおかげで安心して歩ける人がいるのだと思うと、胸が温かくなりました。
しばらくして砂をまき終えると、おじいさんは道を見渡して、「これなら大丈夫やろ」と満足そうにうなずきました。
私も歩いてみると、先ほどより足元がずっと安定していました。
普段は挨拶を交わすだけだった近所の人の、知らなかった一面を見た朝でした。
誰かのために何かをするというのは、特別に大きなことでなくてもいいのかもしれません。自分も身近なところで困っていることに気づいたら、さりげなく動ける人でいたい。
凍った道を見るたびに、今でもあの朝のおじいさんの姿を思い出します。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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