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「もう歩けない、おうち帰る」写真の列でぐずる子供と困る家族。だが、年配の男性の優しさで空気が一変

「もう歩けない、おうち帰る」写真の列でぐずる子供と困る家族。だが、年配の男性の優しさで空気が一変
旅先の写真スポットにできた、長い順番待ちの列
その年の夏、私たち家族は前々から楽しみにしていた人気の行楽地へ出かけました。
園内でもとりわけ評判の写真スポットには、記念の一枚を撮ろうという観光客が長い列を作っています。私も妻と子どもと並び、順番が来るのを待っていました。
私たちのすぐ前に並んでいたのは、幼い子どもを連れた若いご家族でした。ところが待ち時間が長引くにつれ、その小さな子が少しずつぐずり始めたのです。
慣れない場所と夏の暑さで、疲れてしまったのでしょう。
「もう歩けない、おうち帰る」
子どもは今にも泣き出しそうな声で、その場にしゃがみ込んでしまいました。ご両親は困り顔で、あやしたり抱き上げたりと必死です。
「ごめんね、もうすぐだからね」
後ろに続く長い列を気にして、お母さんは何度も振り返り、肩をすぼめていました。せっかくの家族旅行なのに、と気の毒に思いながらも、私はどうすることもできずにいたのです。
旅先の見知らぬ人がそっとかけた優しい一言
そのときでした。私たちのさらに後ろに並んでいた、見知らぬ年配の男性が、穏やかな声でこう切り出したのです。
「順番、お先にどうぞ」
突然の申し出に、ご両親は驚いて顔を上げました。恐縮して断ろうとする二人に、男性は笑顔で続けます。
「お子さん、頑張って並んでたもんね」
その一言をきっかけに、張り詰めていた空気がふっと和らぎました。
すると、周りに並んでいたほかの観光客たちまでもが、自然と一歩下がってスペースを空け始めたのです。
「どうぞどうぞ、先に撮ってあげて」
「かわいいお子さんだね、いい写真を撮ってね」
温かい声に背中を押され、ご家族はぺこぺこと頭を下げながら、撮影スポットへと進みました。さっきまでべそをかいていた子どもも、みんなに手を振られてうれしかったのでしょう。いつのまにか、はにかんだ笑顔に変わっています。
シャッターの音とともに、家族三人の弾けるような笑顔が一枚の写真におさまりました。
並んでいた誰もが、まるで自分のことのように目を細めています。旅先で出会った見知らぬ人の優しさが、順番待ちの列を、こんなにも温かい場所に変えてくれる。
その光景は、帰り道もずっと、私の胸をぽかぽかと温め続けてくれたのです。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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