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「何この音?」23時ごろに響く謎の音。だが、上の階の住人が明かした音の正体に唖然

「何この音?」23時ごろに響く謎の音。だが、上の階の住人が明かした音の正体に唖然
毎晩23時のドスドス
真上の部屋に新しい住人が入ったのは、数ヶ月前でした。
廊下ですれ違うと会釈だけしてくる、寡黙そうな同年代の男性です。
その週から、夜の音が変わりました。
(何この音?)
23時を回るころ、ドス、ドスと重い振動が天井から降ってきます。
すぐ終わるだろうと思っていました。ところが音は毎晩続き、日付が変わるまでやみません。
寝不足で目覚ましを二度寝するようになり、天井を見上げたまま朝を迎える日が増えました。深夜に筋トレでもしているのか、大音量で音楽でも流しているのか。
管理会社に相談する文面を、スマホのメモに下書きしては消していました。直接言いに行くか、それとも間に入ってもらうか。決めきれないまま数日が過ぎます。
エレベーターで切り出す
本人と乗り合わせたのは、ゴミを出しに降りた朝でした。密室に二人きりで、階数表示だけが動いていきます。
険悪になるのは覚悟のうえで、口を開きました。
「あの、夜分遅くに少し響く音が気になりまして」
男性はハッと目を見開きました。それから、こちらが申し訳なくなるほど深く頭を下げるんです。
「本当にすみません。もしかして、パンをこねる音ですか」
予想していた返事と、あまりに違いました。
「パン、ですか」
「23時くらいですかね…パンを、こねてました」
仕事が終わるのが22時過ぎで、そこから翌朝の分の生地を仕込んでいたそうです。
趣味がパン作りだと、その場で初めて知りました。台に生地を叩きつける音が、建物を伝って重低音になっていたわけです。
「筋トレか何かだと思ってました」
「そう思われても、仕方ないです」
正体が分かってしまえば、腹の立てようがありません。(パンかよ)と、肩の力が抜けました。
翌朝、玄関先で
次の日の朝、インターホンが鳴りました。紙袋を抱えた彼が立っています。
「これ、今朝焼いた分です。時間、変えました」
袋を開けると、卵とバターの匂いが立ちました。丸いパンが四つ入っていて、底のほうがまだ温かいままです。
「そこまでしてもらう話じゃないですよ」
「いえ。言ってもらえなかったら、ずっと気づかないままでした」
その日から、天井は静かになりました。かわりに休みの前の日だけ、上からかすかに音がします。ドス、ドス、と。今はもう、朝の合図みたいに聞いています。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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