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「放し飼いにしないで欲しい」隣人の猫が散らかしたゴミ。4年間我慢した私を救った、町内の決まりごととは

「放し飼いにしないで欲しい」隣人の猫が散らかしたゴミ。4年間我慢した私を救った、町内の決まりごととは

朝の道に散らばるもの

隣の家の女性は、飼い猫を朝から晩まで外に出していました。

窓際で丸くなっている姿を見かける日のほうが、むしろ少なかったと思います。

困っていたのは、猫そのもののことではありません。

ゴミを出す場所に、当時はまだ防護ネットというものがなかったのです。

収集車が来る前に袋が破れて、中身が道路の真ん中まで転がっていきます。

卵のパックも、みかんの皮も、風に押されて散っていきました。

「またやられてますね」

袋を提げてきた向かいの奥さんが、足を止めて言いました。

私はしゃがんで拾っている最中でした。

「気づいた人が拾えばいいので」

そう答えるのが、いつのまにか決まりのようになっていました。

4年、言えないまま

隣の女性が謝ってきたことは、一度もありません。

悪気があったわけではないのだと思います。外に出して飼うのが当たり前だと考えている人が、あのころはまだ何人もいました。

「おたくの並びでしょ、今朝もひどかったよ」

回覧板を持ってきた人にそう言われたときは、さすがに手が止まりました。

私が散らかしているわけではありません。

台所で、夫に向かって声に出してみたことがあります。

「放し飼いにしないで欲しい」

「言えばいいじゃない」

「言えないよ。明日も明後日も、隣に住んでるんだから」

結局その一言は、玄関のドアの外に一度も出ませんでした。そのまま4年が過ぎています。

回覧板にはさまっていた一枚

変わったのは、その年の秋の町内会の集まりでした。

カラスや猫でゴミが散るという話が出て、集積所に防護ネットを置くことがその場で決まったのです。

誰の名前も出ませんでした。

翌週、たたまれた青いネットが電柱の脇に届きました。

当番の人が朝いちばんに広げて、出し終わった袋の上からかぶせます。やることは、それだけです。

道路にみかんの皮が転がっている朝は、なくなりました。

「重石、こっち側に置いときますね」

ある朝、先にネットを広げていたのは隣の女性でした。

四隅にブロックを載せています。私は袋を置いて、反対側の角を一緒に引っぱりました。

「助かります」

「いえ」

それきりで、二人ともゴミ捨て場を離れました。私が言えなかった一言は、とうとう誰の口からも出ないままです。かわりに毎朝、あのネットがここにかかっています。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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