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「うちの子が早く遊びたいの」公園で並んでいた娘を押しのけた母。だが、他の父親の一言で態度が一変

遊具の前にできた列
当時7歳だった娘と、近所の大きな公園へ出かけた休日のことです。
娘のお目当ては、園内でいちばん人気のある回転式の遊具でした。
「並ぶんだよね」
「そう。前の子が終わったらね」
娘の前には、3人の子どもが並んでいました。
娘はいちばん後ろで、両手を体の横につけたまま、順番が来るのを待っています。
私は少し離れたベンチのそばから、その背中を見ていました。
列は少しずつ進みます。あと2人。あと1人。
そのときでした。後ろから走ってきた親子が、列の脇をすり抜けます。40代くらいの母親が娘の肩に手を当てて、そのまま横へ押しやりました。
よろけた娘が、私のほうを見ます。
振り返った母親の大声
「すみません、うちの子が先に並んでいたんですが」
声が震えていたと思います。母親は振り返って、私を睨みました。
「うちの子が早く遊びたいの」
周りの保護者たちが、一斉にこちらを向きました。
滑り台の下で立ち話をしていた人も、砂場のふちに座っていた人も、動きません。誰も何も言わないまま、数秒が過ぎます。
娘の手を引いて、別の遊具へ移ろうか。そう思って一歩踏み出したときでした。
列の前のほうにいた父親が、こちらへ体を向けます。子どもを肩車していた、背の高い人でした。
「うちの子も、待つのは苦手ですよ」
怒鳴り声ではありません。むしろ、そばにいた子どもたちに聞かせるような、静かな言い方でした。
「苦手でも並ぶから、この列があるんです」
最後尾へ歩いていった親子
母親の顔から、さっきまでの勢いが消えました。何か言おうとして口を開き、そのまま閉じます。
周りを見回した先には、うなずいている保護者が何人もいました。
砂場のふちにいた人が、小さく手を上げて列の最後尾を指します。
「……後ろ、行こうか」
母親は息子の手を取って、列のいちばん後ろへ歩いていきました。すれ違うとき、こちらへは顔を向けませんでした。
娘は元の場所へ戻りました。また両手を体の横につけて、順番を待ち始めます。
「順番、来た?」
「もうすぐだよ」
肩車の父親が、前を向いたまま言いました。
「ずっと並べてて、えらかったですね」
「ありがとうございます。はっきり言っていただけて、助かりました」
娘の番が来て、遊具がゆっくり回り始めます。列の後ろのほうでは、あの親子も自分たちの順番を待っていました。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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