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「1台分は空けとくから、車を待たせて」空いた区画に走り込んだ女性。係員の一言で迎えた末路とは

空いた区画に走り込んだ人
夕方前のスーパーは、駐車場の半分ほどが埋まっていました。
それでも、空いている区画は何ヶ所か残っています。
通路を進みながら、入口に近い一つに目をつけました。ハンドルを切った先に、人が走り込んできます。
五十代くらいの女性でした。両手を広げて、空いた区画の真ん中に立ちます。
私はブレーキを踏んだまま、動けなくなりました。
女性はスマートフォンを耳に当て、入口のほうへ体を向けます。
「1台分取っとくから、こっちに車回して」
閉めた窓ごしでも、はっきり聞き取れる声でした。
空いている場所は、ほかにもあります。私はウインカーを戻し、二つ先の枠へ車を入れました。
通路で止まったままの列
エンジンを切って外に出ると、通路の様子が目に入りました。
入口のほうから一台の車が抜け出し、女性の立つ区画の手前で停まります。
運転席には、連れらしき男性がいました。
ただ、その車が向きを変えるあいだ、通路は完全にふさがれていました。
後ろには、入庫を待つ車が三台ほど連なっています。
先頭の運転手が、ハンドルに手を置いたまま前を見ていました。
女性は区画の中央に立ったまま、動きません。
誘導灯を下ろした一言
通路の奥から、誘導灯を持った係員が歩いてきます。急ぐでもない、いつもの見回りと同じ足取りでした。
女性の少し手前で立ち止まり、軽く頭を下げます。
「お車でお待ちいただけますか。人が立っての場所取りは、他のお客様とのトラブルのもとになりますので」
声を張ることも、たしなめることもありませんでした。
女性の口が、開いたまま止まります。
「……もう、うちの車、来てるんだけど」
「順にご案内いたしますので、いったんお乗りください」
言いかけた続きは、出てきませんでした。
カートを押していた年配の男性が、足を止めてこちらを見ています。
列の先頭の運転手も、窓越しに視線を送っていました。
女性は区画の外へ出ると、連れの車の助手席に乗り込みます。車は向きを変え、通路の列の最後尾へ回っていきました。
ふさがっていた通路が、そこでようやく通ります。
係員が誘導灯を横に動かし、先頭の車を空いた区画へ導きました。
「お待たせしました。どうぞ」
先頭の運転手が、窓を下げて小さく頭を下げていきます。三台の列は、そのまま順に枠へ収まっていきました。
店内から出てきたとき、あの女性と通路ですれ違います。目が合うと、先に外したのは向こうのほうでした。
次にその店へ行った日、入口の柱に新しい紙が貼られていました。
「人による駐車スペースの場所取りはご遠慮ください」
その下を、買い物客が当たり前のように通り過ぎていきます。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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