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「玄関の音くらいで、泣くのは大変ね」寝かせた子を起こして笑った義母。だが、夫が静かに言い返した

「玄関の音くらいで、泣くのは大変ね」寝かせた子を起こして笑った義母。だが、夫が静かに言い返した

居間に敷かれた布団

子どもが生まれて初めて、夫の実家へ一泊することになりました。物音ですぐ目を覚ます子でしたから、出かける前に夫から頼んでもらっています。

「寝かせた後、静かにしといてほしいねん」

それでも布団を敷くことになったのは、客間ではなく居間でした。

二階は物置になっていて敷けるのはここだけだと言われれば、頼み直すこともできません。

八時過ぎ、抱っこで揺らして、ようやく寝かしつけました。仕切る襖はありません。テレビの音と義父の笑い声が、頭のすぐ横で続いています。

「すみません、少しだけ声を落としてもらえますか」

「あ、ごめんごめん」

音量は下がりました。五分もすると、また元に戻ります。夫が二度、同じことを頼みに行きました。

玄関の戸が鳴った夜

十時前、義母がゴミ袋を提げて立ち上がりました。三和土を降りる音がして、それから家じゅうが震えるような音で戸が閉まります。

布団の上の子が、跳ねるように泣き出しました。抱き上げて、背中をさすって、廊下を行ったり来たりします。泣き声はなかなか止まりません。

戻ってきた義母は、私と子どもを見て笑いました。

「玄関の音くらいで、泣くのは大変ね」

謝りの言葉はありませんでした。悪気があって言っているのではないことも、分かってはいます。分かっていても、腕の中で泣く子をあやしながら聞く言葉ではありませんでした。

夫が置いた一言

夫がテレビを消しました。リモコンを置いて、母親のほうへ向き直ります。

「母さん。三回目やで」

「え、何が」

「静かにしてって頼んだの、今日でこれが三回目や」

義母の顔から笑いが消えました。口を開きかけて、そのまま閉じます。義父が湯呑みを持ち上げて、静かに言いました。

「そら、あかんわ」

「……そんなつもりやなかったんよ」

「分かってる。でも、この子はこんなんで泣くんや。ほんまに大変やねん」

義母は台所へ立って、それきり座りませんでした。冷蔵庫の扉も水道の栓も、そこからは驚くほど静かになります。

「明日の朝は、うちらが先に起きて外に出とくからね」

小声でそう言った義母に、気にしないでくださいとは返しませんでした。

「助かります。よろしくお願いします」

子どもは三十分ほどで、また眠りました。翌朝の玄関の戸は、布団の中まで聞こえないほど、そっと閉められていました。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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