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「キッチン、ピカピカにしといた」とドヤ顔する夫。だが、妻の一言でドヤ顔が崩れた瞬間

「キッチン、ピカピカにしといた」とドヤ顔する夫。だが、妻の一言でドヤ顔が崩れた瞬間

得意げな「ピカピカ」宣言

共働きの我が家では、家事は二人で分け合うのが決まりだ。とはいえ、細かい掃除まで夫がやってくれることは、めったにない。

その日、残業でくたくたになって帰ると、玄関まで夫が出てきた。妙に胸を張っている。

「キッチン、ピカピカにしといた」

珍しいこともあるものだと、少しだけ心が弾んだ。今日は台所に立たなくて済むかもしれない。そんな期待を抱えて、私は流し台へ向かった。

確かに、シンクはきらきらと光っていた。水垢ひとつなく磨かれている。ここだけを見れば、たしかに「ピカピカ」だ。

けれど視線を横にずらして、私は固まった。コンロには油が飛び散ったまま、茶色くこびりついている。使ったフライパンと鍋は、水に浸けられて流しの脇に積まれたままだった。

「コンロと鍋は?」

思わず口をついて出た。すると夫は、当然のように言い返してきた。

「そこまではやってない。俺はシンクを洗っただけ。やってあげたのに文句言うなよ」

一言で崩れたドヤ顔

やってあげた、という言葉に、思わず笑ってしまいそうになった。私は油まみれのコンロを指さして、静かに言った。

「一番大変なのはここと鍋だよ。シンクだけ拭いてピカピカは、さすがに無理があるんじゃない?」

夫の顔から、得意げな表情がすっと引いた。何か言いかけて、口を開けたまま止まる。それから油の飛んだコンロにちらりと目をやり、気まずそうに黙り込んだ。

「……そうね」

声が、だんだん小さくなっていく。

私は、あえて手伝わなかった。いつもならため息をついて片付けてしまうところを、その日は椅子に座って麦茶を飲んだ。

夫はしぶしぶ腕まくりをして、コンロの油をこすり始めた。鍋を洗い、フライパンをこすり、換気扇の下でしばらく無言だった。

「……これ、地味に大変だな」

「でしょう。それを毎日やってるの」

ぽつりと返すと、夫はもう言い返してこなかった。ただ黙々と、鍋の底をこすっている。

ピカピカ、の意味をようやく分かってくれたらしい。その背中を眺めながら、私はもう一口、冷たい麦茶を飲み干した。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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