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「今回は来るのやめて」父が再婚した新しい母→亡くなりそうな父に会わせない姿に絶句

断られる父との時間
実の母を病で亡くしたのは、小学校を卒業する少し前だった。
父が再婚相手を紹介してくれたのは私が高校生のころで、入籍したのは私が二十歳になった年。
継母は、自分さえ良ければそれでいい、という人だった。
父が八十歳を過ぎ、心臓を悪くして歩くのもやっとになった。
会える時間は、もう数えるほどしかない。だから父に電話をして、訪ねていいかと尋ねた。
「ああ、おいで。待ってるよ」
父はそう言ってくれた。ところが数日後、継母から連絡が入る。
「今回は来るのやめて」
父に確認した様子はなかった。継母が、勝手に断っているのだ。
「次に会えるのは、棺の中のお父さんかもしれない。顔を見ておきたいんです」
そう伝えても、返ってきたのは拍子抜けするほど軽い声だった。
「あー、そうなのー、特に話すネタもないのよね」
年に一度でいい、という言葉
動じない継母に、私はこらえきれず抗議した。
実の娘が、弱った父に会いたいと言っているだけなのにと。
すると継母は、当然のことのように言い放った。
「お父さんとは、年1回くらい会えばいいでしょ」
その一言が、残り少ない父との時間に継母が引いた線だった。耳を疑った。
その一方で、継母は自分の実の息子とは月に一度会っているという。
以前もその話を、心底うれしそうに電話で聞かせてきた。その時間のことを、彼女はうっとりとした顔でこう呼ぶ。
「私の、宝物の時間なの」
自分の息子との時間は宝物で、私と父の時間は年に一度で足りる。同じ親子なのに、どうしてこんなに違うのか。
「お父さんだって、娘に会いたいはずです」
言い返したい言葉は山ほどあった。けれど喉の奥が固く詰まって、声にならない。
渡せないままの仏壇
父が建てた家に、実の母の仏壇を置く場所はなかった。
母を見送ったあと、その仏壇はずっと私が手元で守っている。
父はいまも、あの家にいる。
会いに行くたびに、私はインターホンの前で身構える。今日はまた断られるだろうかと。
父の声を、あと何回聞けるのだろう。
母の仏壇に手を合わせるたび、そんなことばかり考えてしまう。
「お母さん、お父さんに会わせてくれるかな」
誰もいない部屋で、つい問いかけてしまう。
答えは返ってこない。納得のいかない思いを抱えたまま、私はまた次の電話をかける勇気を、必死にかき集めている。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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