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「次もラーメン屋で大丈夫?」いつも彼とのデート先はラーメン屋。だが、友人からの助言で目が覚めた話

「次もラーメン屋で大丈夫?」いつも彼とのデート先はラーメン屋。だが、友人からの助言で目が覚めた話
毎回違う店なのに、いつもラーメン屋
若い頃のことを思い出すと、今でも胸の奥にひっかかる出来事がある。
共通の知人を介して知り合った同年代の男性で、最初の印象は明るくて話しやすい人だった。メッセージのやりとりも多く、休みの予定を聞いてくれては、食事に誘ってくれた。連絡は途切れず、こちらの近況にも気を配ってくれていて、悪い人ではないと思っていた。
「次もラーメン屋で大丈夫?」
三度目の誘いで届いた一文に、私は短く「うん」と返した。
ラーメンは好きな方だし、お店の名前もそのたびに違っていた。
駅前の有名店、住宅街の小さな名店、深夜まで開いている店主気さくなカウンター席の店。お店選びにはこだわりが感じられて、それ自体は嫌じゃなかった。
ただ、回を重ねるうちに違和感がふくらんでいった。ラーメンは出てくるのも早いし、食べ終わるのも早い。
麺を伸ばさないように黙々と食べるのが流儀の店も多くて、ゆっくり会話を楽しむ食事ではなかった。
お店を出るとそのまま「じゃあまた」と解散の流れになることもあって、なんだか食事をしただけで終わっている気がした。次に会えるのが楽しみ、という気持ちが回を追うごとに薄れていく自分にも気づいていた。
友人への相談で気づいた違和感
四度目か五度目の誘いを受けたあと、思いきって学生時代からの友人にこの話をしてみた。お店の名前を挙げながら経緯を説明すると、友人は途中で噴き出してしまった。
「他を食べるか誰と食べるか考え直しな」
笑いながらそう言われて、頬に熱が走った。
お店の選び方は彼の趣味なのだろうけれど、相手と二人で過ごす時間として何を大事にしているのか、まるで伝わってこない誘い方ではあった。
会話を重ねたいのか、ただ自分の好きなお店に付き合わせたいだけなのか。落ち着いて顔を見ながら話せる場所を一度くらい選んでくれてもよかったのに、と今さらながら思った。
結局、その後も何度かやりとりは続いたけれど、私の方から徐々に返信の間隔をあけてしまい、自然消滅のような形で連絡が途絶えた。
彼から最後に届いたのも、新しいラーメン屋の話題だった。あれから何年も経った今も、はっきり振られたわけでも、嫌な目に遭ったわけでもない。
それなのに、笑い混じりの友人の言葉と、何軒もの違うのれんが頭の中に並んだまま、答えの出ないモヤモヤだけが残っている。同年代の女友達と当時の話になったときも、ラーメン屋ばかりだった、と口にしただけで会話が止まってしまうのだ。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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