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「高熱だけど顔だけ出しに来た!」寝込んでしまった母。だが、体調を崩した原因に思わず絶句

母が楽しみにしていた集まり
八十になる母は、自治会の副会長が世話役を務める月一度の麻雀クラブを、それは楽しみにしていた。
「今日は◯◯さんが来るのよ」
「この前は私が一番上がったの」
送り迎えをする私に、母は子どものように嬉しそうに話す。認知症予防になればと始めた集まりだったが、何より母の笑顔が増えたことが、私には嬉しかった。
その日も、私は会場まで母を送り届けた。ところが数日後、母が高熱を出して寝込んでしまった。看病をしていた私まで、続けて高い熱が出た。
「お母さん、最近どこか変わったところなかった?」
布団の中で母に尋ねると、思い出したように口を開いた。
あとから分かった一人の存在
「そういえば、この前の麻雀の日に、ちょっと顔色の悪い男の人が来てねえ」
母の話によれば、その高齢の男性は、卓に着くこともなくすぐに帰っていったという。あとで本人がこう言っていたと、伝え聞いたそうだ。
「高熱だけど顔だけ出しに来た!」
私は耳を疑った。高熱を押して、高齢者ばかりが集まる場所へ平気で来る。その神経が、どうしても理解できなかった。
母も私も寝込んだのは、その数日後だ。何かをもらったのかもしれない。
体調が戻ってからも、私はその件を誰にも言えずにいた。
副会長にどう切り出せばいいのか分からず、時間だけが過ぎていった。
半年後、勇気を出して伝えた
半年以上が経った頃、私は人づてに驚く話を聞いた。あの日、副会長は参加者全員に「体調の悪い方が来ていたので気をつけて」と連絡を回していたというのだ。
けれど、我が家にだけ、その連絡は届いていなかった。
もう黙っていてはいけない。そう思い、私は副会長を訪ねた。
「実はあの日のあと、母も私も寝込んでしまって。連絡網からうちが漏れていたみたいなんです」
副会長は、はっと顔色を変えた。
「……申し訳ない。名簿の更新が追いついていませんでした。あなた方にだけ、連絡が回らなかったんですね」
「責めたいわけじゃないんです。ただ、同じことが繰り返されないように、ルールを決めてほしくて」
副会長は深くうなずいた。
「おっしゃる通りです。体調の悪い日は参加を見合わせる。連絡網も全員分、必ず整える。次の集まりで皆さんに周知します」
後日の集まりで、副会長は全員の前で取り決めを読み上げた。
例の男性も、その場で「熱のあるときは無理をなさらず」とやんわり声をかけられ、決まり悪そうに頭を下げたという。誰も声を荒げず、けれど場の空気は確かに変わっていた。
「これで安心して通えるわね」
また麻雀へ出かける母の弾んだ声に、私はようやく胸をなで下ろした。言いにくいことでも、伝えてよかった。そう心から思えた朝だった。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、60代以上・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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