Share
「うちの子そっち泊めてほしい」突然お願いしてきたいとこ。だが、子供を見送った後のいとこからのメッセージに絶句

夕方に届いた一本のメッセージ
仕事から帰ってソファに腰を下ろした瞬間、スマホが短く鳴りました。
差出人は数年に一度しか連絡を取らないいとこです。画面を開くと、前置きも近況報告もなくこう書かれていました。
「うちの子そっち泊めてほしい」
私は四十代、家には妻と中学生、小学生の子供が二人います。
いとこの子は小学校高学年で、自宅から電車を三本乗り継いで二時間ほどの場所に住んでいます。
「土曜の朝にそっちの駅に着くから、改札まで迎えに来てね」と続きの一文が立て続けに飛んできました。
具体的な日時も、お礼の言葉もありません。子供同士は仲が良いし、こちらの子達もきっと喜ぶだろうと思い直し、結局「いいよ」とだけ返しました。
改札で出迎えた小さな来客
当日の朝、改札の向こうから小ぶりのリュックを背負った姪っ子が一人で現れました。
「電車賃ちょうど切らしちゃった」と申し訳なさそうに笑うので、不足分は私の財布から払い、ICカードに残高もチャージしてあげました。
駅前のコンビニで好きなパンとジュースを選ばせ、レジを通したのも当然のように私です。
家に着けば子供達は大歓声で、近所の公園に走り出して、日が暮れるまで戻ってきませんでした。
途中、私もアイスを差し入れに公園まで足を運び、その分も含めて財布の中身は朝からじわじわ減っていました。
夕食はリクエストに応えて回転寿司に出かけ、三人前を軽々と平らげる姪っ子の隣で、私は皿の枚数を数えながら会計を済ませました。
寝る前にはアイスとお菓子を並べ、五人で映画を一本観ました。姪っ子は寝袋にもぐりこむなり、すぐに寝息を立てていました。
帰り際に残った乾いた違和感
翌日の昼前、駅まで車で送り届け、改札を抜けるまで見送りました。
電車に乗ったのを確認して家に戻ると、リビングにはお菓子の空き袋と、姪っ子が広げたままのゲームが転がっていました。
その夜、いとこから一行だけメッセージが届きます。
「無事帰ってきたよ」
それきりでした。お礼の言葉は一切なく、食費や交通費の差額に触れる気配もない。
手土産の一つすら届いていません。私は画面を眺めたまま、ソファの背もたれに体を預けました。返信を打ちかけて、結局送らずに画面を閉じました。
子供達は寝る前に「また来てくれるかな」と笑い合っています。次にメッセージが来たら、やんわり断ろうと心に決めました。
「うちも予定が立て込んでいて」と前置きしておけば角は立たない。子供同士の時間は別の形で作ってあげればいい。空いたグラスをシンクに運びながら、改札で振り返った姪っ子の笑顔だけが、しばらく胸の奥に残り続けました。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事

