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「どうぞ、僕は立っていて大丈夫です」白髪の男性に声をかけられずにいた車内。だが、学生の行動に心温まった瞬間

揺れるたびに、何度も足を踏み直していた男性
仕事帰りの電車でのことです。僕はドアの近くに立っていました。座席はほとんど埋まり、通路にも立っている人が何人かいます。
夕方の車内らしく、スマートフォンを見たり、目を閉じたりしている人が多く、静かな空気が流れていました。
途中の駅から、白髪の男性が乗ってきました。杖は持っていませんでしたが、歩く速度はゆっくりで、電車が動き出すと近くの手すりにつかまりながら大きく体勢を崩しました。
男性はつり革につかまろうと、少しずつ車内の奥へ進みました。座席の前まで来ましたが、座っている人たちは手元を見ていたり、目を閉じていたりして、特に動く様子はありません。
気づいていないのか、それとも疲れていて席を立つ余裕がないのか、僕には分かりませんでした。
僕自身も立っていたので席を譲ることはできません。
ただ、「大丈夫ですか」と声をかけたほうがいいのではないかと思いながら、どう声をかければいいのか迷っていました。
そうしているうちに、電車がまた揺れます。男性は手すりを握り直し、足を踏み直していました。
迷わず立ち上がった学生
そのとき、男性のすぐ前に座っていた学生くらいの男性が、さっと立ち上がりました。
肩にかけていたかばんを持ち直し、男性のほうを見ます。
「どうぞ。僕は立っていて大丈夫です」
白髪の男性は少し驚いた顔をして、すぐに手を振りました。
「いやいや、大丈夫ですよ」
それでも学生が「どうぞ」ともう一度座席を示すと、男性は「じゃあ、お言葉に甘えて」とゆっくり腰を下ろしました。
座ってから、男性は学生に何度も頭を下げました。
「ありがとう。助かりました」
学生は少し照れたように笑って、「いえ」とだけ答えました。その後はドアの近くへ移動し、何事もなかったようにつり革につかまっていました。
ほんの短いやり取りでした。
けれど僕は、自分がさっきまで「声をかけたほうがいいかな」と考えているだけだったことを思い出しました。
学生も疲れていたかもしれません。それでも、目の前の人を見て自然に動いていました。
誰かに席を譲る場面だけではありません。困っている人を見かけたとき、考えているうちにタイミングを逃してしまうことはあります。
その日、僕は学生の後ろ姿を見ながら、次に同じような場面に出会ったら、せめて迷っているだけではなく声をかけてみようと思いました。
※本記事は、GLAMが独自に実施したアンケートで寄せられた20代男性読者の体験談をもとに、プライバシーに配慮し、人物・状況・会話表現などを一部編集・再構成して記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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