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「勝手に、山へ入らないで」何年も黙認していた近所の住人の山菜採り。だが、父が初めて注意したワケ

台所の窓から見えていた、いつもの背中
実家の裏手には、昔から家で管理している小さな山があります。
春になると山菜が出て、子どものころは母と一緒に採りに行くこともありました。
その山に、近所に住む高齢の女性が時々入っていることを、家族は以前から知っていました。
台所の窓から、かごを持って斜面を歩いていく姿が見えることがあったからです。
「今日も来てるみたいよ」
母が言うと、父は窓の外を見てから、困ったように笑っていました。
本来なら私有地なので、一言断ってもらうのが筋です。
それでも、昔から顔を知っている近所の人に「勝手に入らないで」と言うのは、思っている以上に難しかったようです。
回覧板を届けたり、雪かきのときに声を掛け合ったりするような間柄です。少し山菜を採るくらいなら、と家族も長いあいだ黙っていました。
父が初めて声をかけた日
ところが、ある春の日のことです。
父が山の手入れをするため斜面を歩いていると、少し離れた場所から枝を踏む音が聞こえました。
誰かと思って見ると、例の女性が山菜を探しながら歩いていたそうです。
父は驚いて声をかけました。
「今日は山の手入れをしてるから、危ないよ」
その日は伸びた枝を切ったり、斜面の草を刈ったりする予定でした。
作業している場所に人が入っているとは思っていなかったため、父もヒヤッとしたといいます。
女性は「あら、そうだったの」と言って、その日は山を下りていきました。
家に戻った父は、珍しく真剣な顔をしていました。
「やっぱり、何も言わずに入られるのは困るな」
山菜を採られること自体よりも、こちらが知らないうちに人が入っていることの方が気になったようです。
後日、父と母はその女性に会ったとき、できるだけ角が立たないように伝えました。
「山に入るときは、一度声をかけてもらえませんか」
「作業している日もあるから、知らずに入っていると危ないので」
女性は「分かりました」とうなずいていたそうです。
ところが、その年の終わりごろ、母がまた台所の窓から山を見ると、見覚えのある背中が斜面を歩いていました。
連絡はありませんでした。
「また入ってるね」
母が苦笑すると、父は少し考えてから外へ出ていきました。
以前なら見て見ぬふりをしていた父でしたが、その日は山の入口まで行き、「入る前に声をかけてくださいね」と、もう一度伝えたそうです。
長い付き合いのある相手ほど、ちょっとしたことを注意するのは難しいのかもしれません。
それでも、黙って受け入れ続けることが、お互いにとって良いとは限らないのだと感じた出来事でした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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