Share
「本当に助かった、この恩は忘れないよ」お金を借りた叔父。だが、3年も返さない叔父に突きつけた現実

「本当に助かった、この恩は忘れないよ」お金を借りた叔父。だが、3年も返さない叔父に突きつけた現実
「必ず返す」と頼まれた夜
3年ほど前の、親戚が大勢集まった席でのことです。
法事のあとの会食で、料理を囲みながら、久しぶりの再会に話がはずんでいました。宴もひと段落したころ、50代になる叔父が、そっと私の隣に腰を下ろしてきました。
いつもは大きな声で笑っている人が、そのときばかりは少し声を落とし、ばつが悪そうに切り出します。
「今月、どうしても支払いが足りないんだ」
幼いころによく面倒を見てもらい、小遣いをくれたこともある相手です。その人がわざわざ頭を下げてくるのですから、私も無下にはできませんでした。
「10万は来月には必ず返す」
そう言い切られて、私は財布から用立てることにしました。来月には戻ってくるのだからと、そのときは深くも考えなかったのです。
「本当に助かった、この恩は忘れないよ」
叔父は何度も頭を下げ、その日はやけに機嫌よく、遅くまで杯を重ねていました。
ところが、約束の期日を過ぎても、叔父から連絡が入ることはありませんでした。こちらから催促するのも気が引けて、しばらくは黙って待っていました。
それでも一向に音沙汰がないので、遠回しに切り出してみても、返ってくる言葉はいつも決まっています。
「もう少しだけ、待ってくれ」
その一言をやわらかく差し出されると、私はそれ以上、強く催促することができませんでした。
3年目に、私が示した振込の記録
そうこうしているうちに、あっという間に3年が過ぎてしまいました。あの10万円は、いまだに1円も戻ってきてはいません。
それでいて、法事などで顔を合わせるたび、叔父はいつも真新しい服に身を包み、旨そうに酒を飲んでいるのです。
「この上着、この前あつらえたばかりでね」
その上機嫌な横顔を見た瞬間、私はもう黙っていられないと思いました。気まずくなるのが怖くて飲み込んできた言葉を、今日こそ口にしようと腹を決めたのです。
私はスマートフォンを取り出し、3年前の振込の記録を静かに画面に映して、叔父の前にそっと差し出しました。
「叔父さん、あの10万、もう3年になります。きちんと返してください」
声を荒らげたわけではありません。ただ、日付の残る記録を前に、逃げ場のない事実として、はっきりと告げただけでした。
叔父は一瞬、言葉に詰まり、いつもの上機嫌な笑みがすっと引いていきました。
「……そうだったな。すまなかった、すっかり甘えてしまっていた」
ばつが悪そうにそう言うと、叔父は後日きっちり10万円を全額振り込んでくれました。あれほど切り出せずにいた一言が、たった一度、記録を示して伝えるだけで通じたのです。飲み込み続けた3年間が嘘のように、胸のつかえがすっと消えていきました。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


