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「箸はダメでしょ」バイキングで料理を箸で掴もうとする客。だが、スタッフの行動で状況が一変

朝食バイキングの列で
旅先のホテルで迎えた、よく晴れた朝のことです。
前の晩からずっと楽しみにしていた朝食バイキングへ、私は開場と同時に、少し早めに向かいました。
会場に入ると、焼きたてのパンや彩り豊かなサラダ、湯気の立つ和のお惣菜が所せましと並んでいます。
どれから取ろうかと心が弾み、私はトングを手に、はやる気持ちを抑えながら列に並びました。
ところが、すぐ前に並んでいた人の手元をなにげなく見て、私は思わず目を疑ってしまいました。
(箸はダメでしょ)
備え付けのトングには手を伸ばさず、自分がさっきまで使っていた箸を、大皿の料理へまっすぐ近づけていくのです。
取り分け用のトングは、すぐ横にちゃんと置かれているというのに。
気になった衛生のこと
ここは大勢の宿泊客が、代わる代わる取り分けていく共用の料理です。
そこへ誰かが口にした箸が触れてしまうと思うと、さすがに少し気になってしまいました。
とはいえ、その人に悪気があるわけではないのでしょう。
トングを取り忘れて、つい手近な箸を使ってしまっただけなのかもしれません。
それでも、これから同じ料理を口に運ぶ人たちのことを思うと、あまり気持ちのいいものではありません。
声をかけるべきか、それとも見て見ぬふりをするべきか。私は列の中で、皿を手にしたまま、しばらく迷っていました。
スタッフの素早い一声
どうしたものかと立ちすくんでいた、ちょうどそのときでした。
少し離れた場所で料理を補充していたスタッフの方が、その様子に気づいて、さっと歩み寄ってきたのです。
「よろしければ、こちらのトングをお使いください」
角の立たない、やわらかな声でした。
責めるような調子はどこにもなく、ただ自然に、正しい使い方をそっと差し出すような一言です。
箸を近づけていた人も、はっとした様子で箸を引っこめ、差し出されたトングを受け取りました。
スタッフの方は笑顔で軽く一礼し、何事もなかったように、また料理の補充へと戻っていきます。
大事にならず、料理もみんなで気持ちよく取り分けられる。
たったひと声で場の空気がふっと和らいで、私は温かい気持ちのまま、ゆっくりとお皿を満たしていきました。
旅先での何気ない朝が、そのひと声のおかげで、いっそう気持ちのよい一日の始まりになりました。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、20代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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