MENU

Share

HOME LIFESTYLE STORY COLUMN

「昨日レジに、並んでいたでしょう」挨拶を交わす程度のジムで知り合った知人。奇妙な言動に退会を決意

昨日レジに並んでいたでしょう挨拶を交わす程度のジムで知り合った知人奇妙な言動に退会を決意

挨拶だけの相手

通っていたジムのロッカールームに、ときどき顔を合わせる女性がいました。

四十代くらいでしょうか。すれ違えば軽く会釈をする、ただそれだけの関係です。

名前も、どこに住んでいるのかも、仕事が何なのかも、私は何ひとつ知りませんでした。

ある日、着替えをしていると、その人が笑顔でこちらへ近づいてきました。

「昨日のお昼、駅前のカフェにいたでしょう。白いブラウス、似合ってたね」

言われて、背中がひやりとしました。たしかに前日の昼、私はそのカフェにいました。けれど、この人にその話をした覚えは、まるでないのです。

たまたま通りかかって、見かけただけなのだろう。そのときは、そう思うことにしました。

毎回、言い当てられる

けれど、その一度きりでは終わりませんでした。顔を合わせるたびに、教えてもいない私の行動を、あの人は笑顔で言い当ててくるのです。

「昨日レジに、並んでいたでしょう」

買い物先も、ジムを休んだ日も、そこにいた時間まで。どこから見ているのか、まるで見当がつきませんでした。

行き先を決めるのはいつも当日で、私は誰にも予定を話していないのです。

ある日などは、一日に三度も、別々の場所で私を見かけたと告げられました。朝の駅、昼のスーパー、そして夕方の通り。その三つとも、私が本当にいた場所でした。

答えの出ないまま

笑顔で話しかけてくるのが、いちばん怖いのだと気づきました。責める口ぶりでも、脅すような口ぶりでもありません。よかれと思って報告してくれている、そんな明るささえあるのです。

だからこそ、どう返せばいいのか、言葉が見つかりませんでした。

「よく会いますね」

やっとそれだけ返して、私はそのジムを退会しました。

理由は、受付にも誰にも言いませんでした。通う場所そのものを変えて、あの人と顔を合わせることは、それきりなくなったのです。

ただ、今になっても分からないのです。あの人が、どうやってあれほど細かく私の一日を知っていたのか。そして、なぜそこまでして私を見ていたのか。

思い出すたびに、背筋がすっと冷たくなります。その答えは、どこにもないままです。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

ほかの小説も読む

CHARACTERS

登場人物から探す

THEME

テーマ・シチュエーションから探す

ENDING

結末から探す

最も人気の短編小説

もっと見る >

スカッとする短編小説

もっと見る >

モヤモヤ短編小説

もっと見る >

ゾッとする短編小説

もっと見る >

LINEの短編小説

もっと見る >

実体験をもとにした短編小説

もっと見る >

恋愛トラブル

もっと見る >

ハラスメント

もっと見る >

金銭トラブル

もっと見る >

浮気・不倫

もっと見る >

仕事のトラブル

もっと見る >
ふと心に引っかかった「モヤモヤ」
思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」

その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

応募フォームはこちら

PROFILE

GLAM Lifestyle Editorial

編集部

日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

website
前の記事

「玄関のポストを、勝手に開けるな」距離感が近すぎる友人。親切心を装った友人にぶつけた正論

GLAM Lifestyle Editorialのすべての記事を見る

Gallery

SHARE !

この記事をシェアする

Follow us !

GLAM公式SNSをフォローする

Feature

特集記事

Ranking