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「貯金はいくらあるの?」叔父から飛んできた不躾な質問。だが、義姉の一言で笑いに包まれたワケ

「貯金はいくらあるの?」叔父から飛んできた不躾な質問。だが、義姉の一言で笑いに包まれたワケ
そうめんの湯気の向こうで
お盆に妻の実家へ帰ると、座敷にはもう親戚が集まっていました。
仏壇の線香と、台所から流れてくる出汁の匂いが混ざっています。
「久しぶりだね、元気にしてた?」
妻の叔父がビールの瓶を傾けてきます。誰にでも同じように声をかける、昔からそういう人でした。
そうめんの大皿が回って、笑い声が続いたのは最初の三十分ほどだったと思います。
「今はどのへんに住んでるんだったかな」
「駅の南の、二階建てのところです」
「家賃、いくら?」
「10万です」
「貯金はいくらあるの?」
箸の音が止まりました。伯母が急須へ手を伸ばしたまま、こちらを見ています。
「え、っと……」
「貯めておかないと。子どもの学費、いくらかかると思ってるの」
面接みたいに続いた質問
そこからは、ひとつ答えるたびに次が来ました。ボーナスは何ヶ月分か、上の子は私立に行かせるのか、会社での評価はどうなのか。
「今の会社で、上からはどう言われてるの」
「まあ、ぼちぼちです」
笑ってごまかす以外に、手がありませんでした。悪気がないのは分かります。叔父は質問のたびに「心配してるだけだから」と付け足すのです。
「奥さんは働いてないんだろう。もったいないなあ」
妻が湯呑みを置く音がしました。
「うちは、二人で決めてますので」
私がそう返しても、叔父は「そりゃそうだけどな」と笑って、次の質問に移ります。座敷の空気は、とっくに重くなっていました。
義姉が置いた湯呑み
台所から義姉が戻ってきたのは、貯金の話が二周目に入ったころです。盆から湯呑みを並べながら、叔父の前にひとつ置きました。
「叔父さん。次は叔父さんの番でいいですか」
叔父の手が止まりました。
「いや、私は別に」
「家賃と、貯金と、会社の評価です。全部答えてもらえますか」
伯母が吹き出しました。
「そうよ。あなたの通帳から先に見せてもらいましょう」
座敷が笑いに包まれて、叔父は頭をかきながらそうめんに箸を伸ばします。それきり、家計の話は一度も出ませんでした。
帰り際、玄関で靴を履いていると、叔父が横に立ちました。
「さっきは悪かったな。聞きすぎた」
「心配してくれてるのは、分かってますから」
叔父はうなずいて、それ以上は何も聞かずに、妻の荷物を車まで運んでくれました。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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