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「順番に運ぼう、みんなでやれば早い」台所に女性だけが立っていた盆の席を、義姉の一言が変えた日

「順番に運ぼう、みんなでやれば早い」台所に女性だけが立っていた盆の席を、義姉の一言が変えた日
台所から見えるリビング
結婚して初めてのお盆でした。義実家には親戚が十人ほど集まって、座卓には大皿がいくつも並びます。
料理が出そろうと、義母と義姉が順番に立ちはじめました。麦茶の氷を足して、取り皿を下げて、また台所に戻ります。
私も後を追うようにエプロンを借りました。
リビングでは、男性陣が野球中継を見ています。
「今年はいけるかもな」
「まだ八月だぞ」
誰かが意地悪をしているわけではありません。ただ、自然とそういう流れになっていました。
大皿が下がってきたころ
食事が終わると、座卓の大皿が次々に台所へ運ばれてきました。
運ぶのも、洗うのも、拭いてしまうのも、シンクの前に立っている三人です。
「どこに戻せばいいですか」
「その戸棚の、上のほう」
聞くたびに手が止まります。どこに何があるか分からない台所は、慣れた人の倍は時間がかかりました。
ポットを持ち上げたとき、手首が少し震えます。
水音の向こうから、笑い声が聞こえました。
義弟が冷蔵庫に飲み物を取りに来て、そのままリビングへ戻っていきます。
そのとき、義姉がふきんを置きました。
義姉が入り口に立った
エプロンのまま、リビングの入り口まで歩いていきます。
「順番に運ぼう、みんなでやれば早い」
大きな声ではありません。テレビの音のほうが、ずっと大きいくらいでした。
「あ、ごめん」
最初に立ったのは義兄でした。
大皿を二枚重ねて、台所に入ってきます。それを見た義弟が、慌ててリモコンを置きました。
「気づかなかった、悪い」
夫も義父も腰を上げます。取り皿を重ねる人、コップを運ぶ人、座卓を拭く人。廊下ですれ違うたびに「そっち持つよ」と声がかかりました。
シンクの前が急に混みはじめて、義母が笑い出します。
「狭いわね、これじゃ」
片づけは十分ほどで終わりました。
座卓に戻ると、義姉が私の隣に座ります。
「言えばやってくれるのよ、あの人たち」
「私、最後までここにいるものだと思ってました」
「私も最初はそう思ってた」
切り分けたスイカが回ってきて、義父が仕事の話を振ってくれました。義兄が子どもの受験の話をして、夫が横から笑って口を挟みます。テレビはいつのまにか消えていました。
帰りの車で、夫がハンドルを握りながら言います。
「来年は、俺が先に立つよ」
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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