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「俺の飯は?」残業帰りの私に言い放った夫。だが、幼い娘が一言で黙らせた
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暗い台所と、ゲームの音
玄関を開けたのは、夜の10時すぎだった。
スーパーの袋を提げたまま靴を脱いでいると、リビングからゲームの効果音が響いてくる。
夫はソファに沈み込んだまま、こちらを振り返りもしない。
「俺の飯は?家が回ってないんだけど」
台所の電気は、朝出たときのまま消えていた。
ダイニングの椅子では、5歳の娘が足をぶらぶらさせている。
目の前の皿は空っぽだった。
「ママ、おなかすいた」
時計を見る。
娘の夕飯の時間から、2時間が過ぎていた。
テーブルの端には、朝私が置いていったパンの袋がそのまま残っていた。
それを開けてやるという発想すら、この家の大人の片方にはなかったらしい。
「なんで何も作らなかったの。この子、待ってたんだよ」
「だって料理は君の担当でしょ?」
夫は画面から目を離さずに言った。共働きで、残業が入る日は私のほうが遅い。
それでも保育園の送迎も買い出しも洗濯も、この家では全部が私の欄に入っている。
「担当って何?家事は仕事じゃないよ」
「はいはい、また始まった」
ため息と一緒に、ゲームの音量が少し上がった。娘が私を見上げている。私はその頭を撫でて、コートも脱がずに台所へ立った。
箸が止まった食卓
翌週、私が熱を出して寝込んだ。
布団から起き上がれずにいると、寝室の扉が開いた。
「俺の弁当、どうするの?」
心配の言葉は、最後まで出てこなかった。
週末の夕食は、結局その週も私が作った。夫は当然のように箸を取り、テレビを見ながら唐揚げを口へ運ぶ。その向かいで、娘がじっと夫の顔を見ていた。
「パパは何もしないの?」
夫の箸が、空中で止まった。
「え、何が」
「ママはお仕事して、ごはん作って、お洗濯もするでしょ。パパは何をするの?」
悪気のない、まっすぐな質問だった。
夫は口を開きかけて、そのまま閉じる。
「……パパは、仕事してるから」
「ママもお仕事してるよ」
言い訳の続きが、出てこなかった。
テレビの音だけが流れる食卓で、夫は唐揚げを皿に戻して黙り込む。娘はきょとんとしたまま、答えを待っている。私は助け舟を出さなかった。
「……ごめん」
「私に謝ることじゃないよ。この子に答えてあげて」
夫は娘のほうを向いて、ようやく声を絞り出した。
「パパも、これからやる」
翌朝、夫は私より先に起きて洗濯機を回していた。干し方を聞きにくることはあっても、「担当」という言葉はあれから一度も出てこない。
先日、娘が台所の私に耳打ちしてきた。
「パパ、ちゃんとやってるね」
流しの前で背中を丸めた夫が、聞こえないふりで皿を洗っていた。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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