Share
「母さんの言う通りにしろ、絶対だ」産後の私を強引に連れ出した夫。だが、夫がついていた嘘に義母が怒り心頭
INDEX

「母さんの言う通りにしろ、絶対だ」産後の私を強引に連れ出した夫。だが、夫がついていた嘘に義母が怒り心頭
産後の私に下された命令
結婚した当初から、夫は何かにつけて実家と比べる人でした。味噌汁をすすっては母さんはこうだった、掃除機をかければ実家はもっと丁寧だった。
いちばんこたえたのは、出産の直後です。傷は痛み、夜は二時間おきの授乳。
そんな私に、夫は当たり前のように言い出したのです。
「母さんが、産後は実家に来るのが当たり前だって。孫にも会いたいみたいだし、来週行くから準備して」
「まだ体が痛いの。家でゆっくりさせて」
お願いすると、夫は鼻で笑いました。
「親孝行もできないのか」
「母さんの言う通りにしろ、絶対だ」
結局、生後三週間の子をチャイルドシートに乗せ、私は車に押し込まれるように義実家へ向かったのです。
玄関先で崩れた嘘
ところが、玄関で迎えてくれた義母の第一声に、私は凍りつきました。
「あら、無理して来なくてよかったのに」
意味が分からず、立ち尽くしました。義母は続けます。
「あなたがどうしても手料理を食べたいって、この子が泣きついてきたから、仕方なく準備したのよ」
隣で、夫の視線が泳ぎました。全部、この人が仕組んだことでした。自分が実家でくつろぎたいだけなのに、その理由を、産後の私になすりつけていたのです。
私は黙ってスマホを開き、義母に画面を差し出しました。
「お義母さん、主人は嘘をついています。これ、先週送られてきたメッセージです」
母さんの言うことは絶対だ、準備しろ、親孝行もできないのか。義母は老眼鏡をかけ、一行ずつ目で追っていきます。
読み終えた義母が、ゆっくりと顔を上げました。この人は昔から、筋の通らないことを何より嫌う人です。
「……あんた、奥さんにこんなこと送ったの」
夫の顔から、さっと血の気が引きました。
「い、いや、これは言葉のあやで」
「自分の妻も守れない、情けない息子に育てた覚えはないよ」
玄関に、義母の声が響きました。夫は口を開きかけ、何も言えないままうつむきます。
青ざめた頬に、汗がひとすじ流れていました。
奥から出てきた義父も、状況を察したようでした。
「外で頭を冷やしてこい。今日は上がるな」
夫は靴を履き替える間もなく、追い出されるように外へ出ていきました。
私はその日、座布団を三枚重ねた上で、義母が用意してくれた煮物とお赤飯をゆっくりいただきました。
義母は赤ん坊を抱きながら、体を大事にしなさいねと何度も言ってくれました。夫は近くのファミリーレストランで、一人で夕食をとったそうです。
帰りの車で、夫はひとことも実家の話をしませんでした。あの口ぐせも、それきり消えました。今では出かける前に、必ず私に聞きます。体調は大丈夫か、と。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


