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「洗濯、ちゃんとマニュアルどおりにやってくれた?」寝込んだ夫の面倒な要求。だが、体調が良くなった夫に突きつけたのは

「洗濯、ちゃんとマニュアルどおりにやってくれた?」寝込んだ夫の面倒な要求。だが、体調が良くなった夫に突きつけたのは

隔離中の夫から届いた指令

夫が高熱を出して、寝室で数日間の隔離生活に入った。

顔を合わせられないぶん、家のことはすべて私が引き受けることになった。

掃除も食事も文句なくこなしていたある夜、隔離部屋の扉の下から、一枚の紙がすっと滑り出てきた。何かの置き手紙かと思って拾い上げる。

そこには「うちの洗濯機の使い方」という表題と、こまかい手順が箇条書きで並んでいた。

第一項から第八項まで、わざわざパソコンで作って印刷したらしい。

「この手順どおり洗濯機回して」

扉越しに、かすれた声が念を押してくる。

柔軟剤は決まった線まで、コースは必ずこれ、干す順番はタオルから。夫が普段“担当”している洗濯には、そんなマイルールが山ほどあった。

「順番を守らないと生地が傷むから」

熱があってもそこは譲れないらしい。

寝込んでいる相手に言い返すのも大人げない。

その夜は、言われたとおりに洗濯機を回した。

「じゃあ今日から全部あなたね」

数日後、夫の熱が下がって隔離が明けた。リビングに出てきた第一声は、体調の心配でも家事への礼でもなかった。

「洗濯、ちゃんとマニュアルどおりにやってくれた?」

私はたたんだばかりのタオルを差し出して、にっこり笑って答えた。

「じゃあ今日から全部あなたね」

「え?」

夫の顔から、さっきまでの得意げな色がすっと引いた。

あなたのやり方が一番正しいんでしょう、あの手順は私には難しすぎるから、と私は付け加えた。

その日から、洗濯は宣言どおり夫の担当に戻した。ところが本人がいざ回してみると、マニュアルの手順はやたら多く、干す前の仕分けだけでひと苦労だった。

「めんどくさいな…」

洗濯かごを前に、夫がぽつりとつぶやいた。自分で決めたルールに、自分で音を上げている。第三項の柔軟剤の分量を、こっそり目分量で済ませているのも見えた。

「順番、そんなに大事だった?」

今度は私が、笑いをこらえて聞き返す番だった。夫は答えに詰まって黙り込み、しばらく洗濯物の山とにらめっこしていた。

三日目の朝、夫はあの印刷した紙を丸めて、ばつが悪そうにこう言った。

「あのマニュアル、なしでいい。手伝ってくれると助かる」

印刷したマニュアルを突き返した朝、我が家の洗濯ルールは、ずいぶんゆるくなった。夫はもう、私のやり方に口を出さない。

※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています

※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。

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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。

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