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「はじめまして」と挨拶してきた嫁のママ友。だが、知らないはずの過去を話してきた瞬間、背筋が凍った

「はじめまして」と挨拶してきた嫁のママ友。だが、知らないはずの過去を話してきた瞬間、背筋が凍った
訪ねてきた嫁の友人
孫の保育園入園をきっかけに、息子夫婦と二世帯同居を始めた。新しい暮らしにも慣れてきたある午後、嫁のママ友が遊びに来た。
「はじめまして。いつも娘さんがお世話になってます」
愛想よく頭を下げると、彼女もにこやかに会釈を返してくる。感じのいい人だ。私は茶を出しながら、当たり障りのない世間話をしていた。
「お義父さん、確か△△高校のご出身ですよね?」
湯のみを置く手が、一瞬止まった。
同居の話の中で、私の母校を口にした覚えはない。
「ええ、そうですけど……どうしてそれを?」
「優秀でいらしたって、旧友の方からよく伺ってましたから」
笑顔で告げられた一言
旧友、という言葉に背筋が伸びた。彼女が口にしたその人物は、高校時代からの私の親友だった。
「どうしてあいつのことを知ってるんですか」
「私の元上司なんです。よく昔話を聞かせてくださって」
彼女は笑顔のまま、湯気の立つ茶をひと口含んだ。和やかな声色のはずなのに、なぜか部屋の空気が冷えていく気がした。
「学生時代はモテモテで、ずいぶん遊んでらしたとか」
「いや、それは昔の話で……」
「お酒はほどほどに、ですよね?」
その一言で、頭の中が真っ白になった。若い頃の遊びも、酒に飲まれて朝帰りした失敗も、家族には決して話していない過去だ。
親友以外、知るはずのないことだった。
握られた過去
「私も、あの方と同じ名前なんですよ」
彼女はそう言って、くすりと笑った。
何を意味するのかは分からない。けれど、こちらの過去をどこまで握っているのか、笑顔の奥が読めなかった。
(この人は、どこまで知っているんだ)
背中に、じわりと汗がにじむ。穏やかな表情のまま、彼女は孫の話に戻っていく。何事もなかったかのように。
「娘さん、本当にいい子に育って。ご家族みんな仲良しで羨ましいです」
「ええ、おかげさまで……」
うまく言葉が続かない。この和やかな顔の人物が、いつ何を、嫁に漏らすか分からない。
立場のいい義父でいたい私にとって、それは想像するだけで肝が冷えることだった。
「それじゃ、また寄らせてもらいますね」
玄関で見送る間も、彼女は終始にこやかだった。その笑顔がかえって、得体の知れない圧になって残る。ドアが閉まったあとも、私はしばらく動けなかった。
あれから、彼女は何度か家を訪れている。そのたびに、私は穏やかな顔を保ちながら、心のどこかで祈っている。どうか、家族には黙っていてくれと。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、50代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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GLAM Lifestyle Editorial
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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