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「金は払う、今すぐ離婚をしてくれ」とお願いする不倫した夫。だが、意地でも私が別れなかったワケ

「金は払う、今すぐ離婚をしてくれ」とお願いする不倫した夫。だが、意地でも私が別れなかったワケ
家を出た夜に告げた一言
夫の浮気には、ずっと前から気づいていた。スマートフォンに届くメッセージの通知、増えていく週末の出張、洗い立てのシャツから漂う別人のような香り。
それでも私は、何も言わずに泳がせていた。問い詰めれば、その場の言い訳でやり過ごされるだけだとわかっていたから。
証拠を一つずつ集めながら、ただ静かに、その時を待っていたのだ。
きっかけは、本当に些細な喧嘩だった。皿の片づけ方をめぐって言い合いになり、夫は鞄を掴んで玄関へ向かった。
こちらの非ばかりを並べ立てて、まるで自分こそ被害者だと言わんばかりの顔で。
「もう、お前とは無理だ。出ていく」
その背中に、私は静かに声をかけた。
探偵に頼んで相手の自宅も職場も突き止めてあること、何もかも把握していること。
深夜のリビングで、夫の顔色が変わっていくのがわかった。
「不倫のことは、全部知っているの」
急ぐ夫と、急がない私
夫は観念したように不倫を認めた。
けれど、その先に出てきた言葉に、私は思わず笑いそうになった。
「金は払う、今すぐ離婚をしてくれ」
謝罪も反省もない。ただ、自分が一番楽になる道だけを、当然のように要求してくる。
その身勝手さに、私は静かに決めた。あなたが急ぐなら、私はとことん急がないでいようと。
「お断り、まだ妻でいます」
夫はぽかんと口を開けた。そして声を荒らげ、それから言い淀み、最後はうつむいて黙り込んだ。
離婚届を出したくてたまらない人ほど、別れてもらえない時間が効くのだ。
私は別居中の生活費、婚姻費用を法に則って限界まで請求した。
婚姻関係が続いている限り、夫には私の生活を支える義務がある。
同時に、不倫相手には弁護士を立てて慰謝料を求めた。やましいことをした以上、相応の代償は払ってもらう。手続きはどれも、急ぐ必要などなかった。焦れば焦るほど、夫の財布は軽くなっていった。
1年かけて、立場が入れ替わった
慰謝料の支払いに追われた不倫相手は、築浅のきれいなアパートを引き払い、築50年のぼろアパートへと移っていったと聞いた。
私の知ったことではない。
気が済むまで、私はゆっくり時間をかけた。そして1年後、もう十分だと思えた頃に、ようやく離婚に応じた。
「これで、満足です」
その後、夫は不倫相手にも捨てられたらしい。行き場をなくして実家へ戻り、四十を前にして昔の子供部屋で暮らしていると、共通の知人が教えてくれた。
因果応報。私は誰も呪わなかった。ただ、急がなかっただけだ。今は新しい部屋で、好きな珈琲を淹れる朝が、何より心地いい。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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