Share
夫「それが今のお前の仕事だろ!」夜泣きの娘を抱えた育休中の妻に怒鳴った→翌朝差し出された一枚に絶句

夜泣きの娘を抱えてついたため息に飛んだ怒鳴り声
初めての育児は、朝も夜も境目がなかった。
生後数か月の娘は夜泣きがひどく、抱っこしても、ミルクをあげても、おむつを替えても泣き止まない。
その夜も私は娘を抱えて部屋を歩き回り、子守唄を口ずさみ、思いつくことをすべて試していた。
時計の針は午前三時を回っている。腕も腰も限界で、つい小さなため息がもれた。
育児書を何冊も読み、夜泣きの対処法を調べ尽くしても、目の前で泣く我が子の前ではどれも通用しない。
それでも私は、母親なのだから頑張らなければと自分を励ましていた。
隣の布団で背を向けて寝ていた夫が、突然がばっと起き上がった。手伝うのかと思った瞬間、飛んできたのは怒鳴り声だった。
「ため息なんてつくな。育休中で働いてないんだから、それがお前の仕事だろ」
そう言い捨てると、夫はまた布団をかぶって寝てしまった。娘はその声にびくっと体を震わせ、いっそう激しく泣き出す。私は娘をあやしながら、頬を伝うものを拭う余裕もなかった。
積み重なった日々と、私が用意した一枚
夫のあの一言だけではなかった。沐浴も寝かしつけも、夫が代わってくれたことは一度もない。
おむつの場所すら知らず、深夜のミルクは私が一人で作り続けた。それでいて「育休は楽でいいな」と笑う。積み重なったものが、あの怒鳴り声で静かに音を立てた。
私は翌朝、いつも通り朝食を整え、テーブルに一枚の紙を置いた。記入を済ませた離婚届だった。夫は寝起きの顔のまま、それを見て笑った。
「は?寝ぼけてんのか」
「夜中の授乳が一回、ミルク作りが十五分。おむつ替えが一日八回。それを三百六十五日、私が一人でやってる」
私は手帳に書き留めていた記録を、一つずつ読み上げた。夫の顔から、薄ら笑いがすっと消えていく。
向き合った夫が初めて見せた青ざめた顔
「私が倒れたら、この子の世話は誰がするの。あなた、おむつの場所も知らないよね」
夫は何か言いかけて、口をつぐんだ。返す言葉が見つからないようだった。やがて視線をテーブルの離婚届に落とし、その指先がわずかに震え出す。これがただの脅しではないと、ようやく悟ったらしい。
「待ってくれ、本気なのか」
「本気じゃなきゃ判なんて押さない。あなたにとって、私のしてることは仕事ですらなかったんでしょう」
その日から夫は変わった、とは言わない。けれど、もう二度とあの言葉は口にしなくなった。夜中に娘が泣くと、今は夫のほうが先に起き上がる。離婚届は、まだ私の引き出しの奥にしまってある。台所に立つ私の背に、夫がそっと「ありがとう」とつぶやいた朝、私はようやく少しだけ報われた気がした。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、30代・女性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
ほかの小説も読む
CHARACTERS
登場人物から探す
THEME
テーマ・シチュエーションから探す
ENDING
結末から探す
最も人気の短編小説
もっと見る >スカッとする短編小説
もっと見る >モヤモヤ短編小説
もっと見る >ゾッとする短編小説
もっと見る >LINEの短編小説
もっと見る >実体験をもとにした短編小説
もっと見る >恋愛トラブル
もっと見る >ハラスメント
もっと見る >金銭トラブル
もっと見る >浮気・不倫
もっと見る >迷惑
もっと見る >仕事のトラブル
もっと見る >非常識
もっと見る >LINE誤爆
もっと見る >思わず気持ちが晴れた「スカッと」
思い出しても背筋が凍る「ゾッと」
その感情を、物語にしませんか。
GLAMでは、あなたのリアルな体験エピソードを
お待ちしています。

GLAM Lifestyle Editorial
編集部
日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
Feature
特集記事


