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「廊下に私物を置いてるだけでしょ!」マンションの廊下に私物を置く隣人。だが、設備点検の日に天罰が下ったワケ

共有廊下が私物で埋まっていった
分譲マンションに越して7年目になる。
同じ階の角部屋に小さな子のいる家族が引っ越してきたのは、私が暮らし始めて4年目くらいの頃だった。
最初は玄関先に三輪車が1台あるだけで、ぶつかるほどではなかった。
挨拶の声も普通で、特に問題のある相手だとは思わなかった。
変化は半年ほどで来た。三輪車の横にベビーカーが並び、その横にキャンプ用の折りたたみ椅子と、丸めたタープのケースが置かれた。
次に来たのは大きめのアウトドア用品の段ボールで、宅配の伝票が貼られたまま何週間も廊下に積まれていた。
共有廊下の幅は、もともと大人2人が並んで歩ける程度しかない。
私が出勤で通るたびに肩で段ボールをよけ、駅まで急ぐ朝に何度も足の小指をベビーカーにぶつけた。
管理会社には3回、注意文の掲示を依頼した。隣人は無視を続けた。私が直接やんわり伝えても、玄関のドア越しに開き直る声が返ってきた。
「廊下に私物を置いてるだけでしょ!」
その一言で会話は終わり、扉が閉められる音だけが廊下に残った。
「避難経路の妨げになるため今すぐ撤去してください」
動きが出たのは、マンション全体の消防設備点検の日だった。
各戸を業者が回る前に、共有部の通路や階段の確認から始まる。
私は仕事を半休にして部屋にいた。点検服の男性が、隣の家の前で足を止めるのが廊下越しに見えた。
「避難経路の妨げになるため今すぐ撤去してください」
業者の声は穏やかだが、はっきり通る音量だった。
隣人の妻が玄関から顔を出し、いつもの調子で何か言いかけた。
業者は資料を片手にもう一度言い切った。法令上、火災時の避難に支障があるとみなされる量だと、淡々と説明していた。
そのタイミングで、エレベーターのドアが開いた。上の階の住民2人と、理事長を務めている1階の高齢男性が、点検の進行を確認しに同じフロアへ降りてきたところだった。
理事長は廊下に並ぶ三輪車、ベビーカー、段ボールの列をひと目見てから、隣人の妻に向き直った。
「管理組合からも、何度かお願いしていますよね」
声は荒げていない。ただ周囲には他階の住民が立ち止まり、業者の指示と理事長の確認が同時に飛んでいる構図になった。
妻の顔がみるみる赤くなり、目が泳ぎ、最後はうつむいて短く頭を下げた。夫が部屋から出てきて、無言で段ボールを抱え、急いで玄関の中へ運び始めた。
その日の夕方には、廊下に何ひとつ残っていなかった。翌週も、その翌月も、隣の前は元の幅に戻ったままだった。私は7年ぶりに、廊下で足の小指をぶつけずに駅へ向かった朝の軽さを、今も覚えている。
※GLAMが独自に実施したアンケートで集めた、40代・男性読者様の体験談をもとに記事化しています
※本コンテンツ内の画像は、生成AIを利用して作成しています。
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日々の暮らしや選択を通して生まれる気持ちの変化に目を向け、人生を自分らしく整えていくヒントを届ける編集部チームです。仕事や人間関係、暮らしの質、価値観の揺らぎ。さまざまなテーマを横断しながら、今の自分にとって心地よい選択とは何かを考え、無理のない距離感で情報を発信しています。ときには短編小説の力も借りながら、日常にそっと寄り添い、気持ちを軽くするようなライフスタイルコンテンツをお届けします。
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